光の国から僕らの為に
- 2022.05.27
- 高齢者福祉
- sensin
こんにちは。
ふたみシルバーケア豊壽園訪問介護ステーションです。今回もよろしくお願いします。
『シン・ウルトラマン』がついに公開になりましたね。
あの『シン・ゴジラ』やエヴァンゲリオンシリーズを手掛けた庵野秀明監督作品ということもあり、公開前から否が応にもファンの期待は高まってしました。
そしてふたを開けてみれば空前の大ヒット。ウルトラマン生誕55周年を飾るにふさわしい快挙となりました。
筆者も気になりながらも劇場に足を運ぶ時間を作れず未だ視聴するに至っておりません。
というわけで、今回は『シン・ウルトラマン』の原点となった初代『ウルトラマン』について、筆者の秘蔵のコレクションを紹介しつつ解説していきたいと思います。
※筆者は筋金入りの『ウルトラマン』ファンである為、今回はマニアックな内容を含みます。興味のない方には恐縮ですが良かったら最後までお付き合いください。
こちらは言わずと知れた初代ウルトラマンですが、マスクがシワシワなのが見て取れるでしょうか。
これはTVシリーズ第1~13話のみに採用された通称『Aタイプ』と呼ばれるものです。
当初ウルトラマンのマスクには、口が開閉する演出が想定されていたそうです。口から下が別パーツとなっており、上からラテックス素材を被せるという構造上、口元にシワが寄ってしまいした。結局、演出は見送られましたが、名残としてこのような奇妙なシワだけが残ったのです。
はっきり言って不気味なのですが、リアルタイムで視聴したファンにとっては、これぞ初代ウルトラマン!と感じる方も少なくないのではないでしょうか。
こちらは第18話『遊星から来た兄弟』に登場した凶悪宇宙人ザラブ星人。
ザラブとはブラザーを逆さに読んだ造語で、その名の通り地球人の「兄弟」を名乗り、友好的な宇宙人として現れました。
地球上に突如発生した電磁霧をたちどころに除去してみせるなどして信頼を得、まんまと地球人の懐に入り込むことに成功します。
ところがこれは彼の自作自演で、その本当の目的とは…。
そのザラブ星人が変身した姿が、にせウルトラマンです。
本物のウルトラマン(ハヤタ)の自由を奪い、その隙に変身して街で大暴れ。
彼の本当の目的とは、地球人のウルトラマンへの信頼を失墜させることなのでした。
それにしても明らかに本物と違う見た目なのに、「なんでみんな(登場人物)騙されてるの!?」とツッコんでしまうのは誰もが通る道です。
そしてこちらは第33話『禁じられた言葉』に登場した悪質宇宙人メフィラス星人。
ザラブ星人らを部下として引き連れ、ウルトラマンとも互角の戦闘力を誇る実力派宇宙人ですが、頭脳派でもある彼は、地球を武力で侵略することを好みませんでした。
彼の侵略計画とは、地球人の心を奪おうというものでした。
地球人の子どもを連れてきては「『私に地球をあげます』と言いなさい。そうすれば夢のような世界に連れて行ってあげよう」と持ち掛けます。
地球で最も純粋な「子ども」の心を手に入れてしまえば、地球も手中に収めたも同然、と考えたのです。
これを聞いたウルトラマン(ハヤタ)は、「地球を売り渡す子どもなどいるはずがない」とメフィラスの計画を一笑に付すのでした。
『ウルトラマン』の最後を飾った怪獣が、第39話『さらばウルトラマン』に登場した宇宙恐竜ゼットン。
(※初代ゼットンのフィギュアが手元に無かったため、画像は『帰ってきたウルトラマン』に登場した二代目ゼットンです。我ながらマニアックなもの持ってるな…)
アルファベットとひらがなの末尾である「ゼット」と「ん」を組み合わせたという名称が示す通り、物語のラストを飾る存在として作られたゼットン。宇宙人的な外見をしていますが、宇宙恐竜という名称が冠されています。
最終回、無敵のウルトラマンがなすすべもなく敗北していく姿は多くの視聴者にトラウマを植え付けました。
ゼットンに敗れたウルトラマンを迎えに来た光の国の使者がゾフィーです。
現在では、「ウルトラ兄弟の長男」としての活躍が有名なゾフィーですが、本放送当時はまだそういった設定は確立しておらず、単なるウルトラマンの同僚か先輩くらいの位置づけだったと思います。
光の国に帰るようにというゾフィーの呼びかけに対して、ウルトラマンは、
「私が帰ったら、一体誰が地球を守るというのだ?」と一度は帰還命令を拒否します。
それに対してゾフィーは、
「地球の平和は、地球人自らの手で勝ち取ってこそ意味があるのだ」と諭すのでした。
さて、長々と語ってきたところで、筆者なりに考えたことがあります。
ウルトラマンという作品が、長きにわたって多くの人に愛される理由、ひいては筆者自身がウルトラマンを好きな理由についてです。
それは、時代を超えて普遍的な深いテーマ性を内包しているからでしょう。
ウルトラマンのテーマを一言で表すなら、「人間礼賛」だと思います。
ウルトラマンは、どんな時でも人間の味方です。
凶悪な怪獣や宇宙人を相手に、時には命を懸けて人間を守ってくれました。
なぜ、そこまでしてくれるのか?
その問いに、劇中で明確な回答は示されていません。ですが、逆説的ではありますが、ウルトラマンにとって人間は守りたいと思えるもの、だからなのではないでしょうか。
人間は素晴らしい、だから守りたいとウルトラマンが考えたのだとしたら、翻って我々人間はどうなんだろうと考えてしまいます。ウルトラマンに守ってもらえるような、胸を張れるような生き方をできているのでしょうか。
もちろん、現実世界にはウルトラマンも怪獣もいません。現実世界は物語のように美しい結末を迎えることはありません。所詮はフィクションの中だけの存在だとしても。
ウルトラマンに恥じない生き方をしたいと、そんなことを考えながら業務へと戻っていくのでした。
長文失礼しました。次回もまたよろしくお願いいたします。
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