夏の記憶
- 2021.08.05
- 高齢者福祉
- sensin
鈴鹿シルバーケア豊壽園の田中です。
8月に入り、日ざしもひときわ強く照り付け、うだるような暑さが続いていますが、皆さんどのように暑さをしのいでいらっしゃいますか?私は外出時に保冷剤をハンカチに包み、首に巻いて出かけます。でも、この猛暑で保冷剤も1時間でふにゃふにゃになってしまいます…(一時しのぎ…)
さて、7月23日から開催されている東京オリンピック2020ですが…連日、日本人アスリートの活躍がTVを通して私たちを元気にさせてくれています。コロナ禍の中での厳しい競技生活、また大会が延期になるなど、アスリートの方たちにとって今回のオリンピックは、後世まで記憶に残る大会になる事と思います。TVの前で応援する私たちも忘れられないオリンピックです。
「スポーツを通じて平和な世界に寄与する」ことを目的としたオリンピックですが、過去に戦争を理由に夏冬合わせて5回大会を中止していることは皆さんご存じでしょうか?戦争は、平和の祭典であるオリンピックだけでなく、私たちの日常や自由、命を奪ってしまいます。
この夏、戦後76年を迎えます。年月が過ぎ、戦争の記憶が風化していき、戦争の体験を聴く機会が少なくなってきています。
先日、小学生と高校生の娘たちの夏休みの宿題のテーマにもあることから、「2021年津平和のための戦争展」を見学してきました。
76年前の昭和20年、津市は空襲によって2,500人もの尊い命が奪われました。津市街の73%が焼夷弾によって焦土と化したそうです。当時の空襲や、疎開先での体験等を担当しているご利用者様にお聞きしたところ、「空襲で建物や民家が全部焼けてしまい、塔世橋から岩田橋まで見渡せたんだよ」とお話してくださいました。
※下の写真は、空襲後の市街地のジオラマです。見えにくいですが、赤い線の内側が焼失部分です。法人本部のある本町は焼け野原となっています。真ん中の岩田橋を中心にして焼夷弾が投下されています。
また、「名古屋の街なかから、田舎に疎開した時に、『街の子だからシラミはいないだろう』と言われたけれど、頭や首にシラミが這っていたのよね。戦時中は満足にお風呂も入れない状況だったからね」と当時を振り返り体験を話してくださいました。「戦後に生まれたあなたたちは平和な時代で気付けていないけど、本当に恵まれているよ」…そのような話は何よりも実感がこもる話で、貴重です。
私たちは、老人介護の仕事を通して、高齢者の関わりで戦争の体験を聴く機会があります。戦争の惨禍を二度と繰り返さないために、戦争体験を次の世代に語り継いでいくことが必要だと思います。
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