2021年6月

見直される「老健指標」「Sensin NAVI NO.611」

  • 2021.06.15
  • Sensin NAVI
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその611」となります。

 

 

 

 

 

・・・今回のお題は!見直される「老健指標」「Sensin NAVI NO.611」をお送りします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「老健の話ね・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「介護老人保健施設だ・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「在宅復帰の指標ですね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そのとおりだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは!「Sensin NAVI NO.611をお送りします。

今回紹介しますのは、介護保険制度に基づく「介護老人保健施設」のお話となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

介護保険施設である介護老人保健施設には、在宅復帰・在宅療養支援等評価指標といったものがあります。

今回「老健指標」と記載していますが、この評価指標を指します。

 

介護老人保健施設は、従来より在宅と医療機関の中間施設、在宅復帰施設として趣がおかれていました。一方で時代の流れや制度改正を経て、中間施設だけの役割に限らず、状況や必要に応じた中長期入所や看取りケアも行うようになってきています。

全国にある老健も、地域の状況に合わせた機能をそれぞれ有しながら運用しているのが実情です。しかしながら、やはり本来目的としているのは在宅復帰機能となります。

在宅復帰をより積極的に実施している老健施設に対する評価として、これまで在宅復帰とベッド回転率の割合が一定以上の場合には、加算としてプラスαできる仕組みとなっていました。しかし、在宅復帰=ベッドの空床は必然であり、なかなか収支が安定しない老健もまた多かったわけです。

そんな中、老健の在宅復帰機能を再評価し、そのインセンティブの見直しが図られていたのが前回の法改正となりまうす。

新たな評価軸として、在宅復帰・在宅療養支援等評価指標を設け、老健の区分を5つに大別したわけです。

 

①超強化型 ②在宅強化型 ③加算型 ④基本型 ⑤その他型

 

 

 

 

 

・・・の計5つで、①がその最上位にあたります。

①が適用された場合は、例えば要介護度2の多床室を利用される場合の報酬単価は、一日1000単位となります。

 

 

一方、③の加算型であると、同条件でも一日914単位と、86単位の差が出るわけです。

そして⑤のその他型の場合は、一日862単位となり、①と比較しても、138単位も一日で異なる設定となります。これが30日利用、半年利用と続く場合、無論その差はさらに大きくなっていきます。

 

この5つの区分分けは、先述した在宅復帰・在宅療養支援等指標により導かれるものとなります。

最高点を90点とし、①であれば70点以上、②であれば60~69点と、区分ごとにその点数も細かく設定されているわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

在宅復帰機能を評価する「在宅復帰・在宅療養支援等指標」は、以下の10項目(配点は5―20点)の点数を足し合わせて点数を算出します。

重度の要介護者を多く受け入れ、手厚い体制で支援し、在宅復帰実績の高い施設ほど高く評価される仕組みになっています。

 

 

 

・在宅復帰率

在宅復帰した退所者の割合(配点20点)

▽50%超→20点▽30%超50%以下→10点▽30%以下→0点

 

 

・ベッド回転率:3

0.4を平均在所日数で割った数(配点20点)

▽0.1以上→20点▽0.05以上0.1未満→10点▽0.05未満→0点

 

 

・入所前後訪問指導割合

入所30日前から入所7日後までの間に、退所後の療養場所(入所者宅など)を訪問し、それを踏まえた「退所までの計画」(施設サービス計画)などを策定した入所者の割合(配点10点)

▽30%以上→10点▽10%以上30%未満→5点▽10%未満→0点

 

 

・退所前後訪問指導割合

退所30日前から退所30日後までの間に、退所後の療養場所(入所者宅など)を訪問し、退所者家族らを指導した退所者の割合(配点10点)

▽30%以上→10点▽10%以上30%未満→5点▽10%未満→0点

 

 

・居宅サービスの実施数

訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、短期入所療養介護のうち、老健や併設する病院などで実施しているサービス数(配点5点)

▽3つすべて→5点▽いずれか2つ→3点▽いずれか1つ→2点▽いずれも実施していない→0点

 

 

・リハビリ専門職の配置割合

リハビリテーションを担当する理学療法士等の人数(常勤換算)を入所者数で割った数(配点5点)

▽0.05以上→5点▽0.03以上0.05未満→3点▽0.03未満→0点

 

 

・支援相談員の配置割合

支援相談員の人数(常勤換算)を入所者数で割った数(配点5点)

▽0.03以上→5点▽0.02以上0.03未満→3点▽0.02未満→0点

 

 

・要介護4・5の割合

要介護4・5の入所者の割合(配点5点)

▽50%以上→5点▽35%以上50%未満→3点▽35%未満→0点

 

 

・喀痰吸引の実施割合

過去3か月間に喀痰吸引が実施された入所者の割合(配点5点)

▽10%以上→5点▽5%以上10%未満→3点▽5%未満→0点

 

 

・経管栄養の実施割合

過去3か月間に経管栄養が実施された入所者の割合(配点5点)

▽10%以上→5点▽5%以上10%未満→3点▽5%未満→0点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし、「在宅復帰・在宅療養支援等指標」が20点以上であったとしても、

①入所者に対する計画的なリハビリテーションの実施

②退所時に退所者家族らに退所後の療養上の指導の実施

③退所後、在宅での療養生活が1か月間(要介護4・5の場合2週間)続く見込みであることを確認し、かつ記録

 

これらのいずれかを満たせない場合には、「在宅復帰機能が十分でない」と判断されます。

つまり、一番低い「その他型」の基本報酬を算定しなければならなくなるわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その老健機能として様々な要件を満たし、加点制にてその老健の介護報酬が決定するこの指標について、令和3年度にて見直されることになります。

施行後6ヶ月の経過措置が設けられており、実質は10月より適用されます。

これは、介護老人保健施設の在宅復帰・在宅療養支援機能を更に推進するため、指標の取得状況等も踏まえた見直しとなります。

 

・ 居宅サービス実施数に係る指標において、訪問リハビリテーションの比重を高くする。

・ リハビリテーション専門職配置割合に係る指標において、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士の3職種の配置を評価する。

・ 基本型以上について、リハビリテーションマネジメントの実施要件が求められているが、医師の詳細な指示に基づくリハビリテーションに関する事項を明確化する。

 

 

 

 

…といったもの。

このことを受けて、指標もまた見直されることになり、例えばセラピストの配置も、

 

①5以上 5点であったものが、5以上の配置にいずれもPT, OT, STが必要となります。

 

②3以上 3点が5以上 3点に変更になり、これまでの点数から減点。これまで設定のなかった3以上が追加され、新たに2点。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・といった変更です。

また在宅復帰後の在宅サービスの位置付けも、2サービスで 3点であったものが、訪問リハビリを含めた2サービスに改められています。

さらに1サービスでは 2点であったものが、2サービスを位置付けて初めて1点となる指標に変更されることになります。

 

 

このように、令和3年度の法改正、6ヶ月の経過措置を経て、新たな指標がスタートするわけです。

改めて自分たちの立ち位置がどこなのか?現状の点数から10月以降どのように変化するかを、事前に確認、共有しておく必要があると言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こりゃまた大変だな・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上!見直される「老健指標」「Sensin NAVI NO.611」をお送りしました。

それではまた。