介護保険制度の歩みとこれから「Sensin NAVI NO.600」
- 2021.05.22
- Sensin NAVI
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその600」となります。
・・・今回のお題は!介護保険制度の歩みとこれから「Sensin NAVI NO.600」をお送りします!
「あら・・?」
「まさかの600回・・」
「おめでとうございます!!!!」
「まさに長寿番組、いや長寿コーナーだ!」
それでは!「Sensin NAVI NO.600」をお送りします。
介護保険制度は、制度創設以来20年が経過しました。
前回はその歩みについての概要をお送りしたところです。
今回はその続き!歩みからこれからの話を交えて紹介していきたいと思います。
そんな20年が経過する介護保険制度も、幾度の改正を経て大きく見直され今日に至ります。
…一方、65歳以上の日本の人口は、過去40年間でほぼ4倍にまで膨れ上がっており、人口の約28%を占めるほどになっています。
前回のNAVIでも紹介しましたように、高齢化が急速に進む一方で、平均寿命の増加と出世率の低下も重なり、わが国の人口動態も大きく変化しつつあります。ちなみに介護保険制度が始まった際の高齢化率は、約17%だったわけで、この20年で一気に10%以上増加しているわけです。
介護保険制度は、当初『社会全体で高齢者を支えあう仕組み』として創設された経緯があります。
しかしこうした高齢化と少子化などの影響にて、その仕組みはひっ迫しています。
係る社会保障費が、当初想定していた以上に増加し、その傾向は今後も続くと予測されています。
つまりは介護に必要な経費が必要以上に日本の経済を圧迫し、その制度の維持、存続に影響を与えかねない事態にまで迫ってきているわけです。
いきなり崩壊することはないにせよ、なにかしら施策を講じていかなければならない現状ということ。
そんな中で講じられてきたのが、
社会保障費に係る「自己負担分」の増額です。
この自己負担分は様々ですが、代表的なものとしてはご利用者の負担割合がそう。
当初は自己の負担は1割でしたが、所得等に応じて2割、さらには3割まで拡張していっています。
それから40歳以上の納付義務のある月額の介護保険料も同様で、制度開始当初は全国平均3,000円未満でしたが、今では全国平均約5,800円まで増加しています。
ほかにも一定以上の負担に対し、還付される高額介護サービス費についても、その上限がこの20年でまた見直されています。
このような介護保険制度ですが、この先どうなっていくのか?
介護保険制度は、3年に一度見直されるものですが、直近は2021年度。
ここでも時代に合わせたように運営基準が大きく見直されたほか、介護報酬の変動、さらには新加算の創設など様々な変革がみられました。
また業務効率化や簡素化を目的としたICT化もどんどん推進されています。皮肉なことに、昨今のコロナ渦を受けて一気に加速したように感じるのは、決して私だけではないはず…。国もその拡張に力を入れ、ICTに掛かる補助金も多く創設し、多くの団体がそれらを活用した積極的導入を図っている状況にもなっています。
この業界において、ICTやシステムはあまり関係のないような認識も、いまやそのICT等の活用は欠かせないものになっています。
科学的介護に伴うLIFEの活用も、ICTなくして実現はしません。PCは苦手、出来る人がやればいい、私は介護だけすればいい…そんな考え方ではもはやこの業界では通じないところまで来ています。当初は紙媒体であった請求作業や日々の記録、計画書なども、いまや手書きではなく大半がPC処理に移行されてきています。請求業務を担当する者ができればいい、ケアマネジャーや相談員がPCを扱えば良いものではないわけで、現場となる介護、看護等のスタッフにもそれが求められているということです。
このICT化は、単に業務を簡素化するだけの目的で始まったわけではありません。もちろん事務的作業を効率化、いわば電子化することで、スタッフの負担は軽減され、日々の支援や営業等ほかの目的に時間を有効活用できることに繋がります。
…ですが根本はそれだけでなく、やはり昨今における介護業界の人材不足も要因です。
これは介護に限らず、福祉系では特に課題とされているもので、介護人材は全国的に枯渇しています。少子化もそうですが、介護に対する意識や魅力が薄いのも原因とされており、ほかの業界と比較したときの処遇もそのひとつと言われています。
国はこうした状況を打破すべきと、介護職員を中心とした処遇の改善を、これまでの制度改正を経て様々講じています。
給与や待遇は改善しつつも、一向に進まないのは、やはり介護の仕事自体そのものの難しさにあります。それは人対人であることに違いなく、人相手だからこそ、また難しいわけです。目の前の書類を作成する、なにかを作る、製造するといったものでなく、その人個人への支援が求められる仕事ゆえ、また難しいと言えます。
人の感情や思考、さらには変化に対応していかなければならない仕事が介護であり、その難しさゆえ、なかなか定着に結びつかない場合が多いわけです。
その人材不足を補うものとして、こうしたICTが推進される要因でもありますが、やはり肝心の人なくして事業運営はおろか、日々の支援は行えません。介護の負担を軽減し、少しでも多くの人材が介護の世界に興味をもってもらえるようなねらいも一方ではあるわけです。
一方で先送りされたものもあります。
それはこれまでのNAVIでも紹介しましたように、所得等に応じた1割~3割の自己負担を、今後2割以上とする案。
また居宅介護支援事業所にて策定されるケアプランについても、そのプランに係るマネジメントを含め有償化するといった話も浮上しています。
こうした案は、これまでに幾度となく議論され、浮上しては消えを繰り返しています。
ご利用者負担を最小限に留めたい、介護予防や自立支援を促進し、少しでも介護経費を緩和していきたい、そうした様々な事由から先送りされていると言われています。
ですがこれらは次回以降に先送りされたものの、目の前に迫る課題がある以上今後の改正に反映される可能性はいまでも高いわけです。
このように、これからもどの動向に目が離せない、そんな介護保険制度の歩み、そしてこれからをお送りしました。
「歩みも大事だが、これからだな・・・」
以上!介護保険制度の歩みとこれから「Sensin NAVI NO.600」をお送りしました。
それではまた。
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