介護保険制度の歩み「Sensin NAVI NO.599」
- 2021.05.20
- Sensin NAVI
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその599」となります。
・・・今回のお題は!介護保険制度の歩み「Sensin NAVI NO.599」をお送りします!
「歴史ね・・?」
「まさに…600回を前にした振り返りだ・・・」
「すごい数ですね・・」
「一度全回数を刮目すべしだ!」
それでは!「Sensin NAVI NO.599」をお送りします。
介護保険制度は、制度創設以来20年が経過しました。創設されたのがちょうど2000年で、その間65歳以上の被保険者数が約2倍近くに増加し、介護保険制度に係るサービス利用者数も約3倍に増加しています。
介護保険制度は、福祉に係る法体系のひとつに位置付けられており、我が国において実に多くが存在します。例えば児童福祉法や障害者総合支援法など、対象者に応じた様々なものがあります。
これまで老人福祉法を主に、市町村等による「措置」を基礎としていた日本の介護も、様々な事由を経て、「契約」サービスに変更となりました。
もちろん現状も措置制度に基づく施設入所などもありますが、介護保険制度の基本たる姿勢は、あくまでご利用者の選択・決定のもとサービスを利用する「契約制度」になります。
またサービス体系も当初は施設系のほか、訪問系・通所系とほんの一部のカテゴリーしかありませんでしたが、制度改正を経て、地域密着型サービス、共生型サービス、総合事業と時代の変化とともに、求められるニーズに合わせ多岐に展開しています。
施設系でも、特別養護老人ホーム=介護老人福祉施設や介護老人保健施設のほか、最近新設された介護医療院。
これらは介護保険施設として位置付けられますが、24時間の支援を担う施設系としては、ほかにも認知症対応型グループホーム、軽費老人ホームや有料老人ホームが介護保険制度上の特定施設の指定を受けたサービスなど、非常に多くなっています。
このように、制度開始当初はまだまだ馴染みの浅かったものでしたが、いまでは皆様の日常にとっても馴染み深いものに変わりつつあるように感じます。
お住まいの地域でも、デイサービスなどの送迎車両など、福祉に携わる法人名を表記した車両を見ない日はないくらいまで定着しつつもあります。
それに当初はまだまだ担う法人も少なかったものですが、お近くの住まいの周辺で、同じサービス事業所を見ることも少なからずあるかと思います。
社会福祉法人に限らず、NPO法人や民間企業など、多くの団体が参入するまでに至っています。
基本要介護度3以上を対象とした特別養護老人ホームも、当初はその待機者の多さと施設自体の少なさゆえ、申込みが殺到し、「待機待ち」という言葉が一時期よくメディアでも取り沙汰されていたわけです。
この20年でその特別養護老人ホームの整備も一気に進み、一方で「住まい」としての住み替えを前提としたサービス付き高齢者向け住宅も数多く建築されていくことになります。
さて、そんなサービスや事業ですが、
制度上様々な制約が設けられています。
それぞれ主旨や目的、役割があると同時に、それら事業を運営するためには、定められたすべての要件を満たしておく必要があります。
一般的に言われるのが、いわゆる基準たるもの。
基準においては、大きく3つの区分があり、人員・設備・運営となります。事業別に必要な人員や設備、運営に関する事項が定められており、それらを遵守した上での運営が求められるわけです。
介護保険制度だからと言って、一概にすべてが同じ基準では当然ありません。
人権や個人情報、記録の取り扱いなどは共通ルールではありますが、特に人員に関しては必要な職種のほか、その員数もまた異なるわけです。
その人員についても、常勤や兼務の有無だけでなく、常勤ではない非常勤雇用の員数もまた重要なもの。
いわゆる常勤換算数による算出は、この制度の運営管理には欠かせないツールのひとつになっています。
このように事業体系によって基準が異なることから、それぞれに設定された基準をしっかりと理解しておかなければなりません。
入所系と在宅系でも大きく異なりますが、入所系でも介護老人福祉施設と介護老人保健施設でもまた異なるわけです。この両者を比較しても、管理者の要件、必要な職種、取り扱うべき運営方法もその性質や役割に沿った異なる基準が設けられています。さらにここにユニット型と従来型を加えると、夜勤職員の取り扱いやユニットリーダーの配置の有無なども問われることになるわけです。
在宅系ともなると、訪問、通所、短期入所などさらに細かくなります。
訪問だけに着目しても、訪問介護や訪問看護、訪問入浴とまた異なるサービスゆえ、やはりそれぞれの基準が設けられているわけです。
介護保険制度の変化は、こうしたサービスだけではありません。
制度開始以降様々な議論や実績を経て、運営に係る基準のほか、加算体系もまた大きく変化しています。加算だけ見ても、当初と比較して数倍に設定されており、サービス種別ごとにその内容は異なります。サービスによっては同じ名称や目的の加算でも、算定すべき要件や単価が異なっていたりとなかなかです。
このような加算は、基本的には最低基準以上の人員配置や取り組みを評価するものであり、いわば事業所の特色となります。それだけの人員が配置されている、有資格者がいることの根拠であり、また他の事業所との差別化につながるもの。
しかしながら、加算体系が増えれば増えるほど、運営に係るルールや守るべき内容が複雑化していくことにほかありません。加算算定による報酬と実務に係る時間や労力が見合わない、といった捻れも一方では生じているわけです。
20年を経過した介護保険制度ですが、この間様々な見直しが講じられ、新たな設定が次々と創設されていきました。
一方で言われるのがその複雑な法体系で、三年ごとの見直しが付きものとなっています。
ようやく新しい基準や加算の運用に慣れてきたころにまた改正…といった、いわばループを続けざるを得ないのもこの制度の特徴かと。
よく制度に縛られている、制度に踊らされている、といった意見を耳にします。
確かにそうかもしれませんが、一方で制度に私たちが守られていると言ってもおかしくはないはずです。
決められた基準を遵守し、サービスを提供することで報酬が得られる仕組みなわけですので、事業そのもののとしてはシンプルな考えと言えます。
最後に…私たちはこの制度の中で運営する以上、制度の変化にしっかりと歩調を合わせていく必要があると言えます。
知らない…聞いていない…わからない…では通じません。制度に守られている事業である一方、制度理解を決して疎かにできない、それが介護保険制度なわけです。
「なるほど、もう20年も経つんだな・・・」
以上!介護保険制度の歩み「Sensin NAVI NO.599」をお送りしました。
それではまた。
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