令和3年度介護報酬改定「解釈㉑」「Sensin NAVI NO.586」
- 2021.04.28
- Sensin NAVI
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその586」となります。
・・・今回のお題は!令和3年度介護報酬改定「解釈㉑」「Sensin NAVI NO.586」をお送りします!
「解釈シリーズもついに21回目ね・・」
「続くねェ…」
「令和3年度の改正もまだまだですね・・」
「そのとおり!」
それでは!「Sensin NAVI NO.586」をお送りします。
さて、ついに施行された介護保険制度改正。
発出された改正に伴う解釈通知やQ&Aですが、皆様はご覧になりましたでしょうか?すでにQ&Aも、年度末からこの4月に掛けて続々と発出されている状況です。訪問介護や通所介護、居宅介護支援、地域密着型サービス、介護老人福祉施設など多くのサービスが存在する介護保険サービス。
大改正と言われるほどのそのボリューム感。
頭を悩ます経営者や管理者も多いはず・・・。
そんな解釈通知などに基づき紹介していくのが今回のテーマとなります。
そんな改正について、今回は「通所事業」における『入浴介助加算』のお話となります。
これまで入浴介助加算は、一回50単位で算定されているものでしたが、今回の法改正を経て新たに二区分に見直されました。
いわゆる(Ⅰ)と(Ⅱ)です。
旧加算が(Ⅰ)に該当し、新たにご利用者が居宅において、ご利用者自身で又はご家族等の介助により入浴を行うことができるようになることを目的とした取り組みを評価するものとして、(Ⅱ)が創設されています。
その内容に関するQ&Aについて、今回は紹介していきたいと思います。
この加算の対象となるのは、通所介護や通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、(介護予防)認知症対応型通所介護といった、通所系サービスとなります。
さて、特に 入浴介助加算(Ⅱ)については、新たな加算ゆえその要件等が注目されていました。
例えば目的にある「ご利用者が居宅においてご利用者自身で又はご家族等の介助により入浴を行うことができるようになること」のうち、果たしてその文言の中の「居宅」とはなにを指すのか?
Q&Aでは・・・
ご利用者の自宅のほか、ご利用者の親族の自宅も想定されているそう。
その中には、例えば共同浴室を有した高齢者住宅も含まれるとのこと。
なお、自宅に浴室がない等、具体的な入浴場面を想定していないご利用者、或いは本人が希望する場所で入浴するにご利用者にあっても記載されています。
この場合、別に定める要件をすべて満たすことにより算定できるものとしているわけです。
それがこれから紹介する5つの点です。
① 通所介護等事業所の浴室において、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員等がご利用者の動作を評価。
② 通所介護等事業所において、自立して入浴することができるよう必要な設備を備えること。
③ 通所介護等事業所の機能訓練指導員等が共同して、ご利用者の動作を評価した者等との連携の下で、当該ご利用者の身体の状況や通所介護等事業所の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成。
*個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別の入浴計画の作成に代えることができるもの。
④ 個別の入浴計画に基づき、通所介護等事業所において、入浴介助を行う。
⑤ 入浴設備の導入や心身機能の回復等により、通所介護等以外の場面での入浴が想定できるようになっているかどうか、個別のご利用者の状況に照らし確認する。
・・といった感じです。これら要件5つを満たしていることが大事ですので、算定の際には充分ご注意ください。
・・・さらに続けます。
入浴介助加算(Ⅱ)では、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員等(ご利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員を含む。)がご利用者の居宅を訪問し、浴室における当該ご利用者の動作及び浴室の環境を評価することとなっています。
その評価を行うことができる者ですが、ほかにも上記に記載されている職種以外に、例えば地域包括支援センターの担当職員や福祉・住環境コーディネーター2級以上の者等も想定されているようです。
それからこの入浴介助加算(Ⅱ)では、
「個別の入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行うこと」
…となっています。
この場合の入浴介助とは・・・??
入浴に係る一連の動作のうち、
①ご利用者が自身の身体機能のみを活用し行うことができる動作については、引き続き実施できるよう見守り的援助
②介助を行う必要がある動作については、ご利用者の状態に応じた身体介助を行う。
・・・ことと明記されています。
さらにこの入浴介助加算(Ⅱ)の算定にあたって、その関係者はご利用者の尊厳の保持に配慮し、その状態に応じ、ご利用者自身で又は家族等の介助により入浴ができるようになるよう、常日頃から必要な介護技術の習得に努めるものと併せて示されています。
なおQ&Aでは、その介助に係る「具体的例」も示されていますので、是非そちらも参考にしていただければと思います。
最後に、この入浴介助加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)がそれぞれ設定されていますが、例えば同一事業所において、入浴介助加算(Ⅰ)を算定する者と入浴介助加算(Ⅱ)を算定する者が混在しても構わないとしています。
このように新しい取り組みを評価すべく誕生したのが、入浴介助加算(Ⅱ)なわけです。
いわゆる自立支援からの観点で、このような実際の取り組みを加算という形で盛り込まれたのは、この加算だけではありません。介護老人福祉施設などの入所系にも自立支援を目的とした加算が新設されています。
まさに現行の介護保険制度が目指す形であることには違いありません。しかしながら、こうした加算をどれだけの事業所が算定するのか?加算の単位数に見合う業務量なのか?
これまで新設された加算の多くは、その要件の高さから敬遠されがちとなります。結果的に全国の算定率は1割を満たないものもあったりします。
取り組み自体は、自立支援を目的とした素晴らしいものです。ご利用者やご家族のための取り組みとして評価すべきものではありますが、果たしてそれが実施できるほどの体力、或いは人的余裕があるかどうか…。
これからも注視していきたい、そんな通所系事業における新設加算をお伝えしました。
「なかなか細かいぞ、こりゃ・・・」
以上!令和3年度介護報酬改定「解釈㉑」「Sensin NAVI NO.586」をお送りしました。
それではまた。
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