水ぬるむ。
- 2021.03.11
- 法人
- sensin
みなさん、こんにちは。法人本部経営企画室の長岡です。
軽暖の候、春風駘蕩とまではいかないようですが、吹く風に刺すような冷たさよりもむしろ心地よさを感じることの多いこの頃、いかがお過ごしのことでしょう。
待ちに待った春がやって来て、冬の間弱々しかった日の光が、にわかに力を増して春光となり、キラキラと川面を輝かせ鳥類や魚に活動を促す一方、心地よい春風は、あたりの景色をそよがせながら、木々の枝や土壌に生命の息吹を吹き込んでいくようです。
毎年のことではありますが、この冬から春への移ろいが、他のどの季節間の変化よりも劇的で、ビバルディの「春」を聴くまでもなく、まるで魔法から解き放たれたような生命の躍動を感じさせてくれます。
そして地面に目を向けると、たくさんの土筆(つくし)がニョキッと顔をのぞかせ、その愛嬌のある風情から一層朗らかな気分にもなります。
その土筆ですが、ご存知のとおり、スギナの胞子茎であり、スギナにくっついて出てくることから「付く子」という名前になり、また、その姿が土に刺さった筆のように見えることから「土筆」の漢字が充てられたのだとか。「つくし誰の子、スギナの子。」
水温(ぬる)む 流るるものに 歩を合わせ (平手 むつ子 ・ 作)
だんだんと川や池の水も生暖かい感じになって、森羅万象が蘇える喜びとともに、何となくのどかな様子を「ぬるむ」という言葉が包み込んでいます。岸辺に黄色いタンポポや菜の花が咲き、モンシロチョウが舞う春爛漫にはあと少しといったところでしょうか。
新型コロナワクチンの接種も始まっています。春色の汽車に乗って気ままに旅ができるのは、まだもっと先になりそうですね。では、また。
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