「うなずく」
- 2021.03.02
- 児童福祉
- sensin
保育事業部の古林です。
先の見えないコロナ禍の中、世の中はどの業界でもリモートが主流になってきました。
「密」を避けるため同じ空間にいなくても同じ時間を共有できる手段として、
リモート活用はあたりまえの世の中です。
昨年春に入学した大学生はリモート講義が殆どで、実際に登校したのは数えるほど…
という話をよく耳にします。
画面を見ているだけの授業…虚しい…寂しい…など、心が満たされない声があふれています。
そんな中で、先日、ある大学の講義の風景をTVで見ました。
そのゼミの教授の研究でもあります。
リモートで数十名の学生を相手に講義始まりました。
講義を聞いた学生に感想を聞くと「臨場感がない」「頭に入ってこない」「心に響かない」
という答えが多くありました。
講義をしている側の講師の方も「熱が入らない」「伝わっているように感じない」
という解答でした。
さあ、実験開始です。
次に、生徒に意識してうなずきながら聞くように司令が出されました。
画面に映る学生は、みんなうなずきながら聞いています。
終了後に感想を聞いてみると、殆どの学生が
「とてもよくわかった」「先生の熱意が伝わって楽しかった」と答え、
講師も「画面越しの生徒のうなずく姿に、講義にも力が入り充実した内容を伝えられた」と
どちらも満足感が味わえたようでした。
逆に、対面式の講義を全くうなずかず、無表情で聞くと内容は頭に入らず、
講師も力が入らないという結果でした。
世の中が人と人との触れ合いを「悪」とし、心までうばわれていくような時代の中で、
まず、相手の顔を見て「うなずいてみる」ことから始めたいと思います。
相手が大人でも、子どもでも、しっかり顔を見て、うなずいて話を聞きたいと思います。
物理的には「ソーシャルディスタンス」でも、目には見えない心の経験はちぢめたくありません。
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