2021年1月

訪問介護の「特定事業所加算のいまとこれから」「Sensin NAVI NO.514」

  • 2021.01.30
  • Sensin NAVI
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその514」となります。

 

 

 

 

 

・・・今回のお題は!訪問介護の「特定事業所加算のいまとこれから」をお送りします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘルパーの話だな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!久しぶりね」

「てか、感染予防完璧ね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「男は黙ってスクワットだぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まさにリアルスクワット男!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めて見ましたね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさに体を張ったアピールだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

それでは!「Sensin NAVI NO.514をお送りします。

今回紹介しますのは、

訪問介護の特定事業所加算について。

名称同じに、居宅介護支援事業所にも同様の加算がありますが、訪問介護はまたその要件も含めて異なります。

 

「特定事業所加算」とは、介護度の高いご利用者や支援が困難な場合においても、質の高い介護サービスを積極的に提供し、厳しい算定条件を満たす運用を実施している事業所に対して支払われる加算のこと。

 

 

加算の種類と加算割合は以下の通りです。

 

〇特定事業所加算Ⅰ:要介護者の総単位数プラス20%

〇特定事業所加算 Ⅱ:要介護者の総単位数プラス10%

〇特定事業所加算Ⅲ:要介護者の総単位数プラス10%

〇特定事業所加算Ⅳ:要介護者の総単位数プラス5%

 

 

 

例えば、要介護者の総売り上げが200万円だった場合ですと、

 

・特定事業所加算Ⅰを取得していれば40万円、

・特定事業所加算Ⅱ、Ⅲの場合は20万円、

・特定事業所加算Ⅳの場合は10万円

 

…が、サービス実施の売上以外にプラスされます。

 

 

こう見ると特定事業所加算Ⅰを算定したいものですが、その算定要件は非常に厳しいものになります。

ですので、より多くの訪問介護事業所が算定できるよう、ほかにもⅣまで順に要件が緩和していきます。

 

 

 

 

2021年度介護報酬改定にて、訪問介護事業所における改定は微増となります。マイナスにならなかったことは純粋にほっとしますが、前例のない新型コロナウイルスの影響はまだまだ続きそうです。病院や福祉施設での全国的クラスターも後をたちません。また最近では家庭内、親族間での感染も著明となっています。そんな中、私たち介護業界における経営も、まだまだ厳しくなることが予想されています。

 

 

 

また、近年の審議会の議事録には

『介護の質の向上』『人材確保』

という2つのキーワードが活発に出てきます。

 

 

『今後は、介護の質の向上・人材確保に取り組み、一定の質が担保された事業所のみが介護業界を担っていく。』

 

ふるい落としに近い表現ですが、一定数の確保と、地域での社会資源持続のための考えであり、現在国で議論されている審議会の内容です。

 

 

 

この『介護の質の向上』『人材確保』への取り組みを、第三者が評価できる制度として位置付けられているのが、今回の『特定事業所加算』

 

『特定事業所加算を算定し、厳しい要件を満たした運用ができるくらい、レベルの高い事業所以外は介護業界では生き残れない』

…とも評されています。

単純に基本報酬だけでの運営では、持続した経営には結び付かない。プラスαの取り組みによる、加算算定がやはり必須となるわけです。

特に訪問介護事業所にとっては、この特定事業所加算の有無にて大きくその経営基盤が変動するもの。それぐらいの位置付けにあるのがこの加算なわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Mる

 

 

ここからは加算の要件についてご説明していきます。人材、体制、対応と大きく3つに分類されます。

 

まずは人材要件。

 

①介護福祉士の割合が30%以上であることまたは介護福祉士+実務者研修修了者(または介護職員基礎研修者、ヘルパー1級修了者)の職員の割合が50%以上従事していることが条件。

 

②全てのサービス提供責任者が以下のいずれかを満たしていることが条件。実務経験3年以上の介護福祉士であること、または実務経験5年以上の実務者研修修了者が従事していること。

 

 

次に対応です。

重度要介護者等対応要件で、これは前年度または前3ヵ月で要介護4・5認知症(日常生活自立度Ⅲ以上)のご利用者ならびに痰の吸引等の行為が必要なご利用者の実績が合計で20%以上有ることが必要。

 

 

 

 

最後に体制要件で、

① 訪問介護職員に対する計画的な研修の実施

ここでは、所属する職員すべてに、個別の研修計画を策定する必要がり、かつ実施していることが求められます。

 

 

② 定期的な会議の開催
ご利用者に関する情報やサービス提供にあたっての留意事項の伝達等、訪問介護員等の技術指導を目的とした会議を定期的に開催。登録ヘルパーを含めた、すべての介護従事者が参加する会議を開催することが必要です。

 

 

③ 文書等による指示及びサービス提供後の報告

ービス提供責任者がご利用者を担当する訪問介護員等に対して、ご利用者に関する情報・サービス提供にあたっての留意事項を文書等で伝達してから開始。またサービス提供終了後、担当の訪問介護員等からの適宜報告を受ける事も求められます。

 

 

④ 定期的な健康診断の実施
事業主費用負担により、少なくとも1年以内ごとに登録ヘルパーも含めたすべての職員に、1回は実施しなくてはいけません。ちなみに夜勤を伴う施設系は年2回の実施が必須です。

 

 

⑤ 緊急時等における対応方法の明示
緊急時等における対応方針、緊急時の連絡先及び対応可能時間帯等を記載した文書(重要事項説明書等)をご利用者に交付し、説明を行う必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんと、想像以上の要件ね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして加算別取得条件を整理すると以下のようになります。

特定事業所加算Ⅰ:体制要件①~⑤、人材要件、重度者要件すべてに適合すること

 

特定事業所加算Ⅱ:体制要件①~⑤、人材要件①②のいずれかに適合すること

 

特定事業所加算Ⅲ:体制要件①~⑤、重度者要件に適合すること

 

特定事業所加算Ⅳ:体制要件②~⑤、以下すべてに適合すること

 

〇訪問介護事業所の全てのサービス提供責任者に対する計画的な研修を実施していることが求められます。

 

〇常勤のサービス提供責任者が2人以下の指定訪問介護事業所であり、その事業所に配置されるべきサービス提供責任者を常勤により配置し、かつ基準の配置人数より1人以上多いサービス提供責任者を配置している事が条件です。

 

〇ご利用者総数のうち、要介護3〜5である者と介護を必要とする認知症である者、その他介護を必要とする者の占める割合が実績で60%以上いることが求められます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように特定事業所加算を取得するのは決して容易ではありません。示されている通り、研修や会議、申し送りなど、介護事業所としての一定の質を担保する運用が求められるわけです。

 

また令和元年10月には『特定処遇改善加算』という、特定事業所加算を取得している事だけで最上級の加算を算定できる仕組みが追加されています。

特定処遇改善加算はその金額すべてを介護従事者へ支払うことが義務付けられているもの。つまりは取得している事業所は、体制要件を満たすことで一定以上の介護の質が担保されていることから、

『介護の質向上』に取り組んでいる事業所だと明確に伝えることが出来るわけです。

 

 

 

それに『特定処遇改善加算』を取得することで、他の事業所よりも介護職員に支払える額が高くなります。その為、人材確保が難しいと言われる昨今において、特定事業所加算を取得していない事業所よりも優位に考えられます。

ですので、安定した運営を行っていくためのひとつの手段として、この加算の取得は欠かせないものと言えます。

一方で、体制要件を満たす運営を行っていくことは容易ではありません。対価の分、取り組むべき取るべき体制もまた難しいわけです。経営を優先させるがゆえの加算とはいえ、全国の多くの訪問介護事業所が法の落とし穴に陥っていることも事実。安易にしないのも介護保険制度であり、実地指導における返還が生じているのもまた事実なわけです。

 

 

 

 

 

 

 

以上!訪問介護の「特定事業所加算のいまとこれから」をお送りしました。

それではまた。