令和3年度介護保険制度改正「読解への序章」「Sensin NAVI NO.508」
- 2021.01.24
- Sensin NAVI
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその508」となります。
・・・今回のお題は!令和3年度介護保険制度改正「読解への序章」をお送りします!
「序章・・?」
「そう、次回改正はまだはじまったばかり。つまり序章に過ぎないわけだ!」
「とにかく発出されている通知や条文の読解ですね・・」
「そのとおりだ!!」
「管理者はもちろん、次期管理者やリーダーを担う者たるもの、当然必要な知識だ」
それでは!「Sensin NAVI NO.508」をお送りします。
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の改正
に伴う、厚労省令からの資料が公開されました。
この内容はまさに令和3年度からの各事業における人員、設備、そして運営に関する基準を示したものとなります。
これまでのNAVIでも紹介してきた内容ですが、ここにしてその詳細がようやく示されたわけです。
当初プチ改正と推測されていたものですが、審議が進むにつれ、特に運営に関する基準や事業に設定される各加算などが大幅に見直されそうです。
例えば、認知症介護基礎研修の受講の義務付けもそのひとつ。
これまで、無資格者での従事可能でった介護業界。とりわけ訪問介護については、最低でも初任者研修の受講が義務付けられていましたが、今回の改正を経て、全サービスに係る介護職員に一定の資格(=研修受講)が必須となります。
全国で働く介護職員の大半がなにかしらの資格を保有している実情からの方針で、かつ認知症ケアの充実を一層図ることを目的にしたものとなります。しかしながら、あくまで全国平均からのものであって、地域によってはその格差も存在します。
今回求められる認知症介護基礎研修については、ほかの介護福祉士や実践者研修と比較しても少ない時間や費用で取得できるものではありますが、現に従事している介護職員が受講するとなると、やはり現場への負担、或いはその費用負担はどうなるのかが気になるところ。昨今のICT化により、Eラーニングを可能とする考えですが、経過措置の3年間でどう運用していくかも重要です。
なお、その後の解釈にて、新規採用者については経過措置ではなく、1年間の猶予期間が設けられるそうです。
つまり無資格者であっても、入社1年間は介護職員としてみなされるわけです。
それから居宅介護支援事業所における逓減制の見直しも重要なポイント。
ICTや事務職員の配置などにより、効率的かつ効果的な運営を行っている事業所であれば、もてるケース数の上限を引き上げるというもの。現在事業所あたり平均35名のケース数に対し、平均40名以上となった場合には、介護報酬が減額される仕組みとなっています。その介護報酬に係る上限を45名までに引き上げる内容です。
さらに、感染症や人権、虐待に関する委員会の設置や委員会の開催、
そしてそれらに係る各研修の実施が全サービスに義務化されていきます。
一定の経過措置はあるも、特に感染症については、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響も多分に大きいもの。
そもそも感染症に係る防止に向けた委員会は、介護老人福祉施設などの介護保険施設を中心に義務付けられていました。
それを訪問介護や通所介護、小規模多機能型居宅介護などの全サービスに展開することになります。ただし、委員会の開催については、施設系が概ね3か月に一階の開催に対し、そのほかのサービスについては6か月と示されています。感染症は新型コロナウイルス感染症のほか、インフルエンザやノロウイルスなど多岐に渡ります。特に免疫力の低下している高齢者や基礎疾患を持つ方々にとってはハイリスクとなります。その中で、施設系に限らず、在宅系サービスにも派生するのが今回の改正となります。
また施設系、在宅系に問わず、新たに感染症に対するシミュレーションも求められます。
実際に感染症が発生したことを想定した訓練が新たに必要となってきます。
なお、人員基準についても、認知症対応型グループホームにおける管理者要件の緩和のほか、
短期入所生活介護での看護職員の常勤配置が見直されます。
これまで短期入所生活介護は、20名以上の定員の場合には看護職員の常勤配置が必要でした。
規模にもよりますが、定員が20名であれば、少なくとも1名常勤の看護職員が必要だったわけです。
それが昨今の専門職の確保の困難さを受け、この度その要件が撤廃されます。
つまりは非常勤の看護職員でも最低基準を満たすことになります。実際の医療ケアを考えたときには、やはり常勤の看護職員が配置されていることは強みです。それはご利用されている方々だけでなく、staffにとっても同様と言えます。ですので、単に置かなくても良いというわけでなく、事業所の実情に合わせて柔軟に配置できるようになった・・・と考えるべきと思います。
また一方で、通所介護のように、看護職員を配置しなかった場合における病院、診療所又は訪問看護ステーション等との密接かつ適切な連携による看護職員の確保も新たに追加されています。
ほかにも・・
・ローカルルールの見直し
・電子媒体による記録
・押印不要
・WEBを活用したテレビ会議の促進など、
・ICTを目的とした内容
・・の条文が全サービスに追加されるようになります。
まだまだ確定していない内容もありますが、大筋の枠組みは構成されつつあります。
一方で次回の介護報酬は全体で0.7%の増額と言われています。
うち0.05%がコロナ対応として考えられています。
その介護報酬の改定も、先日の18日に発出されています。基本報酬のほか、新たな加算の創設や加算自体の包括化と要件変更など様々です。今後の各サービスにどう影響されていくのか?
今後の国の動向に目が離せない、そんな制度改正に係る情報をお送りしました。
以上!令和3年度介護保険制度改正「読解への序章」をお送りしました。
それではまた。
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