2020年11月

CHASEと加算算定。「Sensin NAVI NO.435」

  • 2020.11.10
  • Sensin NAVI
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその435」となります。

 

 

 

 

 

・・・今回のお題は!CHASEと加算算定。をお送りします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「CHASEってなによ・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いま噂の破嵐万丈、いや科学的介護のことだ!」

「決してチュルスではない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チョリースでもないですね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当たり前だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは!「Sensin NAVI NO.435」をお送りします。

厚生労働省は社会保障審議会・介護給付費分科会を開催し、2021年度介護報酬改定に向けた協議を進めています。

各事業やサービス種別ごとに行われている協議の内容について、これまでに通所介護や訪問介護、介護老人福祉施設などこのNAVIにて紹介しているところです。

 

今回のお話は「CHASE(チェイス)」。

 

このCHASEは、高齢者の状態やケアの内容など幅広い情報を蓄積するデータベースのこと。

要介護認定やレセプトなどの情報を格納する「介護DB(介護保険総合データベース)」を補完する役割を担うことに期待されています。

自立支援・重度化防止の観点から有効なサービスを推進する「科学的介護」の基盤となるべく、令和2年5月から本格始動したもの。

 

来年4月の介護保険法改正に合わせ、リハビリテーションの情報に特化した「VISIT(通所・訪問リハビリテーションのデータ収集システム)」と一体的に本格運用されることになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

介護保険制度の開始により、従来の措置制度から直接事業者を選択することができる「契約制度」に移行されました。

 

しかしながら、どのような介護サービスを提供しているのかは各事業者によって分かれており、事業所独自にそれぞれ工夫したサービスを行っていました。

 

一方、選択するご利用者やご家族にとっては、そのサービス内容がなんなのか?

どれほどの効果があるのか、またリスクがあるのかといった観点からは非常にわかりづらいものでした。

いわゆる根拠や客観的な情報がないわけです。

 

 

 

 

 

介護業界にはこの「根拠」や「客観的な情報」が不足しており、

医療業界では

・「EBM」(エビデンス・ベースド・メディシン)

・「EBN」(エビデンス・ベースド・ナーシング)

 

…という「エビデンス(客観的事実に基づいた根拠、理由)に沿って提供される医療、看護」の考えが広く定着しています。

 

 

この医療業界の「エビデンス」は、様々な病状や臨床結果の蓄積であり、それを医療業界全体で共有することによって積み上げてきたものとなります。エビデンスをもとに、より最良の医療提供を実現させるもので、エビデンスに沿った客観的な情報を「科学的根拠」などと呼んでいます。

 

この医療業界での波及を受け、介護業界もそのエビデンスに着手しています。

ご利用者が自らが選択するためには医療業界と同様に、介護業界においても介護サービスについてのエビデンスを集める必要があります。

サービスの内容、ケアの内容を、客観的根拠をもってご利用者に提示できること、これを「科学的介護」といいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、厚生労働省は来年4月の介護報酬改定にて、

国の新たなデータベースである「CHASE」へ情報を提供した事業所について、新たに加算による評価を行う検討に入りました。

 

 

ご利用者のADLや栄養、口腔・嚥下、認知症などに関する基本的な情報を送ってフィードバックを受けること、それをケアプランや介入計画の改善に役立てることなどを要件とする案で進めていくそうで、対象は主に通所サービス、施設サービスとのこと。

 

 

いわゆる「科学的介護」の展開に繋げていきたいねらいがあり、必要なデータの蓄積、エビデンスの確立、サービスの質の向上を図る目的。

 

先日開催された厚労省の社会保障審議会・介護給付費分科会で提案されたもので、年内には大枠の方針を決定するそう。また実際の加算の単位数、細かな要件などについては年度内に示されるとのこと。

 

 

ほかにも、ご利用者ごとの計画書の作成やそれに基づくケアの実践などを求めている既存の加算についても、CHASEへの情報提供を評価する新区分を創設することも検討するそう。

その代表例が個別機能訓練加算や口腔衛生管理加算、栄養マネジメント加算などがその対象としてピックアップされています。

 

科学的根拠に基づく介護は、先の2018年度の介護報酬改定においてすでに始まっています。

高齢者の自立支援や重度化防止につながる取り組みを促すインセンティブがそうで、この新たな取り組みに国は約200億円の交付金を設定しています。

また、通所介護においても、同時にアウトカム評価「ADL維持等加算」を新設。

ADLを評価する指標「Barthel Index(バーセルインデックス)」を用いたもので、評価期間において良好な成果をあげた事業所が、その後の一定期間にわたり対価を得られる仕組み。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしながら仕組みとして導入されたものの、

18年11月に独立行政法人福祉医療機構が公表したアンケート調査の結果によると、「ADL維持等加算」を実際に算定している事業所は全体のわずか1.1%だそう。その役割と期待に大幅なズレが生じていたわけです。

 

こうした結果の要因は様々ですが、要介護度の改善が見込まれる軽度者のみを選別するといったことのないよう、算定要件が厳しく設定されていることがやはり一番ネックとなっているよう。

科学的根拠を求められる加算ゆえ、算定までに時間を要すること、さらには労力に対して報酬単位数が低いこと

・・・などにより、「将来的にも算定する予定はない」と回答した事業所は75.9%の結果が出ていました。

 

こうした状況の中で、新たな加算の枠組みを設けることにより、科学的介護を加速させるねらいがあるようです。

 

果たして今後どうなるのか?

CHASEは少なからず私たち業界に影響してくるものとなりそう。ですので、今のうちにCHASEとはなんなのか?今国はなにを目指しているかを、しっかりと理解、把握しておく必要があると言えます。

 

ますます目が離せない、そんな次回介護保険制度改正情報でした。

 

 

 

以上!CHASEと加算算定。をお送りしました。

それではまた。