体位変換とファーラー位。「Sensin NAVI NO.363」
- 2020.07.26
- Sensin NAVI
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその363」となります。
・・・今回のお題は!体位変換とファーラー位をお送りします!
「ファーラー位?聞いたことがあるようなないような・・?」
「いわゆる半座位のこと!」
「そんな自信満々に言わなくても・・・」
「ふん!」
それでは!「Sensin NAVI NO.363」をお送りします。
・・・さて皆様は「ファーラー位」をご存じでしょうか?
ファーラー位は介護現場において重要なものとなります。別にファウラー位と言ったりします。
ファーラー位とは、
介護や医療の専門用語であって、
「ベッドなどの寝具に寝た体制の状態から上半身だけを約45度起こした体位」のこと。
このファーラー位には利点だけではなく欠点もありますので、ここでご紹介したいと思います。
まずは「利点」から!
このファーラー位は、そもそも腹部の手術などを行った後に、
ドレナージ(体内に溜まった消化液、膿、血液や浸出液などを体外に排出すること)を促すことを目的として行われてきた体位のこと。
腹部の内臓によって肺が圧迫されることを軽減できるために呼吸が楽になるという利点があり、食事を取る際に逆流をしないために取られたのがこのファーラー位だったわけです。
次に「欠点」。
逆にファーラー位で食事をとると誤嚥をしやすくなるという欠点があります。
特にベッドで寝たきりの介護者であればファーラー位で食事を取るということが多くなりがちですが、誤嚥を引き起こしてしまう可能性が非常に高く、危険な体位であるということが言えます。
また、床ずれしやすい姿勢とも言われています。
この床ずれとは、よく業界では「褥瘡」と言われるもの。
体の一部が持続的な圧迫を受け、皮膚組織に循環障害が起こり、その結果皮膚の一部が壊死してしまう症状のことです。
長い時間ファーラー位のままでいると同じ場所の部位が圧迫されてしまい床ずれになる可能性があります。
そのため圧迫される部位を度々変えなければなりません。さらに、身体麻痺などをしている際には介護者本人が身体を動かすことが難しく、時間経過とともに体がずれてきてしまうので数時間おきに体位を変えるサポートが必要です。
さて・・・このファーラー位と似た名前の体位で、
「セミファーラー位」という姿勢があります。
これは仰向けで寝た状態から、上半身を大体15度〜30度程度だけ起こした状態の姿勢です。
それ以上上半身の角度を上げてしまうとファーラー位、又は座位となります。
このセミファーラー位はそもそも腹部を手術した後に腹部内に残っている血液や消化液などを体の外に出すことを促すために提案された体位のこと。
このセミファーラー位もファーラー位と同様で、腹部の内臓によって肺が圧迫されることを軽減できるために呼吸が楽になり、食事を取る際に逆流をしないようにするという効果があります。
ただし、腎臓部分に体位の圧力がかかりやすくなったり、体の部位の一部分に体圧がかかってしまうという欠点もあります。
そのため定期的に体位を変える必要があります。もし自らが体位を変えられないのであれば体位転換のサポートが必要となりますゆえご留意ください。
さてさて、このような体位をファーラー位或いはセミファーラー位と言います。
耳にしたこともある方も結構みえるかもしれません。
・・さて最後に、ファーラー位以外のほかの体位も紹介します。
主なる重要な体位としては、全部で3つあります。
①仰臥位(ぎょうがい)
簡単に言えば「仰向け」の状態で、上を向いて寝ている状態のことを言います。
②側臥位(そくがい)
横向きになって寝ている状態のことで、誤嚥がしにくい体位だと言われています。
③端座位(たんざい)
こベッドなどの寝具の端に座って両足を床に向かって垂らしている状態のことです。
端坐位をとれなくなってしまうと全身の筋力、バランス力が低下してしまい寝たきりになる可能性が高くなってしまいます。
・・・以上が様々な体位の説明となります。
以上!体位変換とファーラー位。をお送りしました。
それではまた。
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