2020年6月

「老人福祉法」と「介護保険法」その弐。「Sensin NAVI NO.336」

  • 2020.06.11
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその336」となります。

 

 

 

 

 

・・・今回のお題は!「老人福祉法」と「介護保険法」その弐をお送りします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また法律の話?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ。法律に基づく事業運営と事業管理が重要だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K子①

「パターン一緒ね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは!「Sensin NAVI NO.336」をお送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

前回は老人福祉法について、その役割と誕生までの経緯を説明しました。

しかしながら、のちに施行される介護保険法成立に至るまでに、老人福祉法のほかもうひとつの法律の存在と背景が影響することなります。

今回はテーマにもあります介護保険法誕生に至るまでのヒストリーを紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

・・・まず、皆様は「老人保健法」をご存知でしょうか。

先の老人福祉法と似通った法律ですが、その役割や目的は異なるもの。

 

この老人保健法は、現在題名改正を含む大きな改正が行われ、現在は後期高齢者医療制度発足等新たな枠組みとされています。

平成18年(2006)の医療制度改革のなかで全面的な改正が行われ、平成20年(2008)改正法の施行により法律名も高齢者の医療の確保に関する法律に変更されています。

そんな前身となる老人保健法は、老人の心身の状況に応じた予防、治療、機能訓練などの一貫性のあるサービスを提供することを目的としたもの。前述した老人福祉法とは異なる主旨と目的から成るものとなります。

医療については、70歳以上の者および65歳以上70歳未満の寝たきり老人などを対象とし、

そのほかの保健事業は、職域などにおいてこれらの事業に相当する事業の対象となる場合を除く40歳以上の者を対象としていました。

 

この老人保健法では、

啓発・教育・相談・診査・リハビリテーション・訪問看護を実践するも、様々な課題が浮き彫りになります。

老人性疾患の多くは、慢性的に経過するものであり、また合併症を伴いがちであるということ。こういったことから、事実「長期にわたる介護と看護」が必要となってくるわけです。

老人福祉法と老人保健法それぞれの法律で支援を行う一方、上記のような制度自体の限界や矛盾が著明に現れることになります。

 

 

 

 

 

そうした背景にてその後創設されたのが、

皆様ご存知の介護保険制度というわけです。

介護保険制度は、2000年の制定された、法律の位置づけとしてもまだまだ歴史は浅いものとなります。

 

施行から早20年が経過し、ニーズや社会情勢、また地域別の実情、さらには社会保障費の圧迫と現実化する超高齢社会等、これまでに何度も法制度の改正が進められ、現在に至ります。

 

 

 

 

 

ここからはその介護保険制度創設の歴史について、さらに詳しく紐解いていきます。

老人福祉法と老人保健法によるそれぞれの運用が展開される中、その浮き彫りとなった課題に向けた議論がはじまります。

 

1986年(昭和61)「長寿社会対策大綱」が閣議決定され、

1988年「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え」が厚生省と労働省(ともに現:厚生労働省)から示されました。

 

 

 

 

さらに1989年(平成元年) 「高齢者保健福祉推進10か年戦略(ゴールドプラン)」が策定され、厚生省、大蔵省(現財務省)、自治省(現総務省)によって合意されることになります。

2000年(平成12)までに在宅福祉サービスを充実し、寝たきり老人を減らすことを目ざした取り組みがはじまるわけです。しかしながら、こうした整備がなかなか実を結ぶことにはなりませんでした。

当初策定したゴールドプランの数値をはるかに上回る、基盤整備の必要性が浮き彫りになっていきます。

つまり需要と供給との差が露呈されたわけです。想定以上の差を痛感した政府は、新たな方策を講じることになります。

 

 

 

 

 

それが1994年12月の「新ゴールドプラン」なわけです。

 

また、1993年には少子・高齢化社会に対応した社会保障や主要施策、財源などを検討する高齢社会福祉ビジョン懇談会が設けられ、1994年に「21世紀福祉ビジョン-少子・高齢社会にむけて」がまとめられています。

さらに厚生省では、1994年に高齢者介護・自立支援システム研究を開始し、

同年末に「新たな高齢者介護システム構築を目指して」と題する報告をまとめます。

これら様々は提案や協議を重ね、

1995年2月からは、老人保健福祉審議会にて検討がさらに加速され、翌年4月には、「高齢者介護保険制度の創設について」たる内容を厚生大臣に答申しています。

 

 

 

これを契機に、高齢者介護保険制度について活発な議論が起こり、1997年12月には介護保険法が成立することになります。

 

 

 

「老人福祉は老人保健医療と緊密な関係になければならない」

 

 

 

 

 

1990年(平成2)6月の老人福祉法および老人保健法改正は、その意味でも重要なものとなります。

法改正により都道府県および市区町村は「老人保健福祉計画」を策定する義務を負うことになります。

1986年の老人保健法改正によって、老人保健施設が置かれ、要介護老人に対して医療ケアおよび生活サービスの提供が開始されました。

さらに1991年以来、在宅介護体制づくりの強化を目ざした「訪問看護ステーション」制度が始まります。

続く1994年には、入院時の食事にかかわる給付の見直し等、老人保健事業の体系の見直しが行われたほか、

1996年には研修事業の拡大が図られ、地域リハビリ・コーディネータ―養成研修が追加されています。

 

 

 

 

これに関連して、ほかにも

(1)40歳からの健康週間

(2)健康マップ作成

(3)先進モデル事業助成

 

・・・などが、積極的に進められたわけです。

 

 

 

 

この「老人保健法」も、

2006年(平成18)6月に公布された健康保険法等の一部を改正する法律により「高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)」に改題され、

内容も大幅に改正されるようになるわけです(2008年4月1日施行)。

 

 

 

 

 

以上!「老人福祉法」と「介護保険法」その弐をお送りしました。

それではまた。