介護報酬の「減算」②。「Sensin NAVI NO.317」
- 2020.04.29
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその317」となります。
・・・今回のお題は!介護報酬の「減算」②をお送りします!
「なによ、前回と同じなわけ?」
「ふっ。加算があればその逆の減算もあるわけで、事業を運営するためには、減算の仕組みも理解すべしだ」
「このくだり・・」
それでは!「Sensin NAVI NO.317」をお送りします。
介護報酬には様々な加算がありますが、その反面、減算項目も幾つか存在してます。
前回は人員欠如による減算でしたが、今回はほかのものを紹介します。
それがこの「身体拘束廃止未実施減算」です。
名称そのままに身体拘束に係る減算で、単に身体拘束自体を完全否定したものではありません。もちろん、人権や虐待保護の観点から、身体拘束は決して肯定されるものではありません。しかしながら、さまざまな要因から一時的、緊急的に実施せざるを得ないことも想定されます。そんな実施に伴い、事業者としての責務はもちろんながら、講じるべき必要な対応を行っていない場合に、この減算が適用されるものになっています。
この減算については、平成30年の法改正を経て大きく見直されることになりますが、まずはそれ以前の概要を説明します。
①改定前の「身体拘束廃止未実施減算」
・減算単位
基準を満たさない場合は、1日につき5単位を所定単位数から減算。
・満たすべき基準
身体拘束等を行う場合の記録を行っていない場合に、入所者全員について所定単位数から減算。
・対象となるサービス
○介護老人福祉施設
○介護老人保健施設
○介護療養型医療施設
○地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
・・・とこのように、減算する額も所定単位数からの減額と、基本施設系サービスに限定されたものでした。それが平成30年度介護報酬改定にて大きく見直されます。
昨今の高齢者等への虐待などの社会問題や社会情勢を受けての改定内容とされており、その減算自体の取り扱いのほか、対象範囲や要すべき取り組みが追加されました。
②改定後の「身体拘束廃止未実施減算」
・減算単位
基準を満たさない場合は、入所者全員について基本報酬の10%を減算。
・満たすべき基準
①身体的拘束等の適正化のための指針を作成すること
②身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催すること
③介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること(年2回)
④身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況ならびに緊急やむを得ない理由を記録すること
・対象となるサービス
改正前のサービスに追加して、次のサービスも対象に。
〇特定施設入居者生活介護
〇介護医療院
〇認知症対応型共同生活介護
〇地域密着型特定施設入居者生活介護
このように、その適用される額もそうですが、満たすべき取り扱いやその範囲も一層厳しさを増しています。
「身体的拘束の有無」にかかわらず基準のすべてを満たすことが必要になります。特に次のような項目にはもれがないよう注意が必要です。
■指針の作成
■委員会(身体拘束禁止委員会)の議事録の作成
■新規採用時など、必ず身体的拘束等の適正化の研修
…を実施することが必要です。
指針であれば、その指針に盛り込むべき項目が定められているほか、委員会の開催、研修(新規採用時を含む)、記録などかなり詳細に求められるようになっています。基準に対応するよう取り組まれているとは思いますが、こうした項目にひとつでももれがないよう、定期的な確認をおすすめします。
この「身体拘束廃止未実施減算」ですが、社会福祉施設等を運営する事業者側にとって、重要な取り組みのひとつとされています。
このように厳格化された介護報酬改定による減算ですが、身体拘束に関する取り決めはほかの居宅系サービスにも盛り込まれています。
「減算明記はなくとも指導対象とする」
それはつまり減算なくとも指導による関与を意味しています。
その為、各実地指導や集団指導等での重点項目として、その取扱いや現状についての確認を実施しています。
おそらく、次回改正でもさらに厳格化されると見込まれています。
適正な運営と満たすべき基準、双方をしっかりとおさえた上で運営していくことが望まれます。
以上!介護報酬の減算②をお送りしました。
それではまた。
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