2020年4月

介護保険事業所における管理者の兼務要件。「Sensin NAVI NO.303」

  • 2020.04.10
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその303」となります。

 

 

 

 

 

・・・今回のお題は!介護保険事業所における管理者の兼務要件をお送りします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「管理職とは違うのよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ、管理職と管理者は似ているようで似ていないもの。それぞれの役割やあり方の違いをきちんと理解しておく必要があるわけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K子①

「存在感薄いわよ、最近」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは!「Sensin NAVI NO.303」をお送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

介護保険制度では、事業所ごとに「管理者」を置くよう定められています。

 

 

 

事業所の管理者は、

①ご利用者の情報を一元的に管理

②介護保険に関わるコンプライアンス遵守

③従業員管理やサービス管理

 

などを行うもので、いわば事業所の統括者を意味します。

 

 

 

 

 

 

この管理者ですが、制度上の配置基準にて細かな設定がされており、ほかの職種との兼務については、管理上支障がない範囲で可能となっています。

ここでいう「管理上支障がない範囲」のその範囲。

 

 

 

事業所側が、

「管理上支障がないから!」

…と言って、なんでもかんでも兼務が認められるものではありません。

 

 

管理者の兼務は、基準上はっきりと明示されているものもあれば、解釈通知やQ&Aで触れられているものと様々です。

 

また、内容によっては指定権者によって見解は少し異なる場合もあります。例えば兼務は認められても、常勤換算上の縛りがあったりと違うわけです。

それに地域密着型サービスでの取り扱いも異なりますゆえ、ご注意ください。

 

 

 

・・・ではここからは、ある事業の兼務を例にご説明していきたいと思います。

 

デイサービス、いわゆる通所介護での管理者兼務となります。生活相談員は介護系の資格を持たなくても就くことができるため、介護職の他職種と兼務できないと思われがちですが、実は管理者など一部の介護職と兼務することが可能です。生活相談員とほかの職種を兼務するには、法令で定められている「人員配置基準」を満たしていること、それぞれの業務に支障がないことなどが条件となっています。

 

 

 

 

生活相談員と介護職が兼務できる条件は、「施設の人員配置基準を満たす」ことが条件となっています。人員配置基準は生活相談員だけでなく、兼務する職種の人数も定められていて、施設の種別や、都道府県など自治体によって設置基準が異なることが多く見られます。そのため人員配置基準は施設ごとに異なるので、事前に勤務希望地域の自治体に確認しておくことが大事です。

 

特別養護老人ホームの場合ですと、制度上は介護老人福祉施設。入居者数100人に対し常勤の生活相談員1人以上配置することが決められているため、利用者人数が多ければ必然的に生活相談員の人数も増えていきます。通所介護施設の場合、生活相談員は施設でおこなっているサービス提供時間において配置しなければなりません。たとえばサービス提供時間が7時間の場合なら、生活相談員は7時間以上配置する必要があると言うこと。

 

 

 

 

ここからは生活相談員の配置基準を、一例をあげて説明していきます。

 

 

 

 

 

(1)特別老人ホームでの配置基準

生活相談員と介護職の兼務条件の部分でも触れましたが、特別養護老人ホームでは、利用者100人あたり、常勤の生活相談員が1人以上となっています。100人増えるごとに常勤の生活相談員の人数も1人増えます。
たとえば施設に130人の利用者に対し、、生活相談員は最低で「常勤者」が1人以上です。これが200人になれば生活相談員は2人以上となり、300人となれば3人以上になります。200人以上いるのに常勤者が1人しかいない場合は、条件を満たしていないので、無論兼務することができません。

 

 

 

 

 

(2)介護老人保健施設での配置基準

介護老人保健施設は、事業の役割や目的から、相談支援にあたる職種はそもそも生活相談員とは呼びません。介護老人保健施設では、支援相談員が配置基準で必要で、特別養護老人ホームと同じく、100人に1人以上なので、利用者100に対して、支援相談員1の割合になります。

 

 

 

 

(3)ショートステイでの配置基準

ショートステイ(短期入所生活介護)でも、利用者100人に対し1人以上となっていますが、そのうち1人は常勤となっています。

ただしこの条件は利用定員が20人未満の、併設事業所は対象になりません。

たとえばサービス利用者が100人の場合、常勤の生活相談員1人と非常勤の生活相談員2人という形でもOKです。また、ほかにも基準該当サービスと呼ばれるるものかありますが、このサービス体系による短期入所生活介護は、その配置すべき基準が若干緩和されています。常勤で生活相談員を配置する義務はなく、非常勤でも構わないわけです。まあ実際には大半の事業所が常勤で配置していたり、あるいは常勤兼務として介護職員と兼務していたりと色々です。

 

 

 

 

 

(4)デイサービスでの配置基準

デイサービス(通所介護)での生活相談員の配置基準は、ほかの施設と比べると少し複雑になります。

デイサービスの場合は、ご利用者の人数ではなく、「サービス提供時間」を基準にしているからです。

このサービス提供時間は事業所ごと、かつ営業日ごとで計算されます。

 

たとえばサービスの提供時間が午前9時~16時の7時間だった場合、生活相談員はその定めた時間帯に配置しなければなりません。また午前10時から午後6時まででサービス提供時間が8時間なら、生活相談員は8時間の配置が必須ということで、これらの時間帯以下の配置の場合は兼務することができません。

 

 

 

 

 

 

 

このように、生活相談員の配置には決まりがあることから、それ以上の配置が実現しているのであれば、生活相談員と介護職との兼務は可能です。

 

 

 

 

 

さて、次に管理者のほかの兼務事例を紹介します。

例えば以下のようなことが挙げられます。

 

 

・訪問介護(予防)事業所の管理者とサービス提供責任者
・通所介護(予防)事業所の管理者と介護職員
・認知症共同生活介護(予防)事業所の管理者と計画作成担当者

・・・など。

 

 

 

また管理者は、併設する別の介護事業所の職務を兼務することもできます。

 

 

・居宅介護支援事業所の管理者と訪問介護事業所の管理者、通所介護事業所の管理者
・通所介護事業所の管理者と認知症対応型通所介護事業所の管理者
・小規模多機能型居宅介護事業所の管理者と認証対応型共同生活介護の管理者

…などなど。

 

 

 

 

 

 

このように、事業所の管理者は様々な職種と兼務することができます。

…しかし、何度も言いますが、それはあくまで「管理上支障がない範囲」であること。

基準上の配置以外にも、管理を逸脱した兼務は決して認められませんのでご留意ください。

 

 

 

 

 

以上!介護保険事業所における管理者の兼務要件をお送りしました。

それではまた。