措置と契約。「Sensin NAVI NO.286」
- 2020.03.21
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその286」となります。
・・・今回のお題は!措置と契約をお送りします!
「ほんと、歴史好きなんだから・・」
「意外もなにも。かなりの歴史好きだぞ、奴は」
「知ってるんかい!」
さて、そんな措置と契約について。
まず「措置」という語源から入ります。措置とは、事態に応じて必要な手続きをとることを言います。最近話題の〇〇措置法でも良く聞くフレーズかと思います。
措置法(そちほう)についてですが、本来は適用対象が一般的(法の受範者が不特定多数人であること)、抽象的(適用される事件が不特定多数であること)であるべき法律において、適用対象が特定され、かつ相当程度に具体的な処分性を有する規範として定められるものを言います。
一方の「契約」ですが、
二人以上の当事者の意思表示が合致することによって成立する法律行為のことを言います。合意のうち、法的な拘束力を持つことを期待して行われるもののことで、特に雇用・売買・所有等々に関して行われるものとなります。
さて、介護保険制度の話でいくと、制度制定前は「措置制度」というものが主流でした。
行政処分の一つとして、行政が指定した老人ホームに入所するということが当たり前に行われていたのです。現在では介護保険制度に基づき、契約制度が主流です。ご利用者が自由にサービスを選択でき、保険適用内では1割、一部の利用者は2割又は3割負担でサービスを利用できるようになっています。
…では措置制度とはなんなのか、そして廃止となった理由は如何に?
さてさて皆様はご存知でしょうか。このNAVIをご覧の皆様の中には、福祉系の専門学校や大学などで学んだ方も少なからずみえるはず。そんな皆様への振り返りも含め、今回ご紹介していきたいと思います。
社会福祉における措置制度は、福祉サービスを必要としている人に対し、行政が必要性を判断してご利用者のサービスを決定することです。特に戦後の日本における、高齢者介護や保育などを構築する上で中心となった制度でした。
それが現在、介護保険制度の導入をきっかけに「契約制度」へと移行しています。
「う~ん、わかるようなわからないような…」
ここで措置制度と契約制度の違いについて、さらに詳細を説明します。
比較できるよう以下のようにまとめています。
①「措置制度」
税金が資源。
主な対象は「低所得者」。
利用者負担は「応能負担」。
国や自治体がサービスを提供。
生活困難に陥った人に対しては、行政が保護介入。
②「契約制度」
40歳以上が支払う保険料が資源。
主な対象は「サービスを受けたい高齢者」。
利用者負担は「応益負担」。
ご利用者と事業所が直接サービスを契約。
ご利用者が自由にサービスを選択。
上記のように、措置制度ではご利用者の収入に応じて、高所得者の負担が多くなるように設定され、サービスを利用するにあたっては事前に所得調査が実施されていました。またこの制度による運用にあたったは、行政から予め決められた施設やサービスを受けなければならなかったり、今とは異なる主旨で運営されていたわけです。その後、日本の社会情勢の変化や高齢化率の上昇、社会保障費の増大等の要因や背景を受け、最終的にご利用者が自らサービスを選択できる、いわゆる「契約制度」に移行していくことになります。
一旦はここまでに、次回その後編をお送りしたいと思います。
・・以上、そんな措置と契約でした。
それではまた。
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