定期巡回・随時対応サービスのいま。「Sensin NAVI NO.284」
- 2020.03.20
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその284」となります。
・・・今回のお題は!定期巡回・随時対応サービスのいまをお送りします!
「地域密着型サービスのひとつね」
「お、なかなかいいテーマだ。実に興味深い」
さて、そんな定期巡回・随時対応サービスのいまについて。
介護や医療を必要とした高齢者が、住み慣れた地域や住み慣れた家で自分らしく暮らせるよう支援するサービスを「地域密着型サービス」といいます。「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、そのなかでも特に重要なサービスのひとつ。
「定期巡回・随時対応サービス」、あるいは「定期巡回随時型」、時に「定巡(ていじゅん)」と略されることもあるようですが、正式名称は「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」。
2012年(平成24年)に創設されたサービスで、まだその誕生から十年も経過していません。
日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が一体的にまたは密接に連携しながら、定期巡回と随時の対応を行います。
1つの事業所で訪問介護と訪問看護を一体的に提供する「一体型」と、訪問介護を行う事業者が地域の訪問看護事業所と連携をしてサービスを提供する「連携型」があります。
そしてこのサービスの特徴について紹介していきます。
サービスの名称そのままに、「定期巡回サービス」と「随時対応サービス」に大別されます。
まずは「定期巡回サービス」。
定期巡回サービスでは、定期的な訪問介護が1日を通してに何度も利用できます。
介護保険制度の中のいわゆる訪問介護サービスは、30分以上の滞在で週に数回の訪問が基本。
一方、定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、滞在時間5分程度から1時間以上のサービスまで滞在時間の幅が広いうえ、1日の訪問回数に制限もありません。その為、一般的な家事援助以外にも、服薬管理のための5分や寝る前の排泄介助のための15分など、ピンポイントでの利用が可能です。
次に「随時対応サービス」。
予めお住まいに設置されたケアコール端末によって、オペレーターに通報できるオペレーションシステムを導入したサービスです。
事業所から配布されたケアコール端末を使い、ご利用者が困ったときはいつでもボタンを押すだけで通報することができるもの。
ご利用者からの通報を受けた際には、事業所に配置されたオペレーターが対処法を提案するほか、訪問介護員を自宅に向かわせたりします。また、緊急時の救急車の要請をしたりするすることもできます。
似たようなサービスに「夜間対応型訪問介護」というものがあります。地域密着型サービスのひとつとして、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」と同じ種別に分類されますが、サービスそのものが違います。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、夜間に限らず通報システムを使えること、さらに、通報時に看護師による訪問が可能なことです。
また、夜間対応型訪問介護は基本料金に加え、訪問介護員を要請した回数分費用を要しますが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は月額定額料金です。
「まさに地域福祉を担うサービスのひとつですね」
そしてさらにもうひとつの特徴が「訪問看護サービス」。
病気や障がいによって療養が必要なご利用者に、訪問看護サービスを提供します。定期的に看護師が訪問することで、病状の変化や悪化を見逃さずに生活でき、ご利用者本人はもちろん、介護をする家族の身体的負担や精神的負担を軽減します。
さて、冒頭でもお話した一体型と連携型の違いについて最後に紹介します。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、看護師の有無で2つに分類されます。
一体型…訪問看護をおこなう看護師がいる事業所
連携型…看護師がいない事業所
前者の「一体型」の場合は、上記のサービスのすべてを提供することができますが、後者の「連携型」は、訪問看護サービスを提供する他の事業所と連携して、利用者に訪問看護サービスを提供することになります。
なお、このサービスを利用する場合にはもちろんその目的や体系から制約もあります。
例えば、定期巡回・随時対応サービスを利用された場合、訪問介護(通院等乗降介助を除く。) や訪問看護(連携型利用時を除く。) 、 夜間対応型訪問介護の算定はできません。また居宅系サービスである通所系又は短期入所系サービスを利用した場合には、以下のようなの日割り計算となります。これはサービス自体が月額定額料金である為の処置と言えます。
① 通所系サービス利用時には、1日分の単価の3分の1(33%)相当額を日割り減算。
②短期入所系サービス時には、短期入所系サービスの利用日数に応じた日割り計算。
なお、医療保険の訪問看護を利用した際にも、 当該その期間については、介護のみご利用者の単位数を算定することになります。
このように、独居や高齢者世帯にとって期待できるサービスですが、実はその需要はあっても提供できる事業所が少ないのが現状です。夜間対応や随時訪問など、その課せられた役割から職員配置はもちろん、柔軟な勤務体制の確保が求められます。それゆえ全国的にもその設置数はほかのサービスと比較しても希薄しています。
平成28年の調べでは、三重県内でも計6か所(当時)しか設置されておらず、そもそもそのサービスが提供できない市町村も多く存在するのが現状のよう。国としても積極的に推進していきたいサービスとして、地域包括ケアシステムの要のひとつにも位置付けています。しかしながら一方でのその担い手がいないのが現状のようです。
訪問介護などの在宅サービスが増加しているものの、重度者を始めとした要介護高齢者の在宅生活を24時間支える仕組みが不足していることに加え、医療ニーズが高い高齢者に対して医療と介護との連携が不足している との問題から誕生したこのサービス、今後の地域福祉の発展には欠かせない社会資源と考えます。
是非多くの事業者による参入を期待する一方で、多くの参入が可能となるよう、
多くの皆様がこの業界に興味を持ち、介護業界全体の人材拡充を願うばかりです。
・・以上、そんな定期巡回・随時対応サービスのいまをお送りしました。
それではまた。
「ぬぬぬ・・やりおるわ」
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