配置と質の担保。「Sensin NAVI NO.269」
- 2020.03.07
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその269」となります。
・・・今回のお題は!これからの「配置と質の担保」をお送りします!
「ほほっ。なかなかシビアな話題じゃない」
「ふふふ、こういうテーマは大好物だ。是非参戦させてもらうぞ」
「呼んでない!」
「あら。」
さて、今回は各福祉サービスにおいて重要な要素のひとつ、人員配置についてのお話となります。
少し前の出来事にはなりますが、まずはその人員配置に係る資格制度の話から。
介護分野においては、国家資格である介護福祉士たる資格があります。
この資格ですが、昨今専門学校や大学などの養成校の卒業生にも国家試験を義務付けるといった、介護福祉士の資格取得方法の見直しが行われています。この見直しについて、先日当初設けられていた経過措置をさらに延長し、既存の経過措置からさらに5年間延長することに決めたわけです。
厚労省は従来から、「一定の教育課程を経た後で国試に合格する」という形で資格取得方法を一元化する構想を掲げていました。
今回紹介する介護福祉士の資格取得方法の見直しは、人材の資質や社会的な評価を高めていくことが目的とされています。いわゆる「養成校ルート」の場合、以前は国家試験をパスしなくても卒業するだけで資格を取ることができたわけです。
そんな中、厚労省は国試の義務化を決定し、現場への影響を勘案した5年間の経過措置を設けた上、2022年度から完全に適用する予定となっていました(もちろん当時の話です)。
今回の経過措置のさらなる5年間延長は、2026年度卒業生までを対象に、養成校に通う外国人留学生が急増したことを考慮したものとされています。現状のカリキュラムや求められる知識等、外国人留学生にとって、この国家試験のハードルは非常に高いと言われています。
既存の2022年を目処に義務化を進めると、多くの貴重な人材を母国へ帰すことになったり、全国の養成校の経営自体に大きな影響を及ぼしかねない。そんな懸念と各団体からの意見も受け、こうした経過措置のさらなる経過措置を決定したわけです。
「留学生の国試の合格率の向上への支援」
一方で課題とされる国家試験の高いハードルに対し、これから同時並行に強化していく方針を示しています。
・・・一方で次に気になるのは今後の制度改正。その大きな方向性を論じる、いわゆる舵的役割を担っているのが、
「全世代型社会保障検討会議」。
介護の生産性向上がテーマとなった先日、国はセンサーやAI、ICTなどを活用した業務の効率化をさらに推奨していく方針を確認しています。またそれに加え、しっかりとそのエビデンスを確かめつつ、介護報酬や人員配置基準の見直しを検討していくことでも一致したそう。
・・・つまりはどういうことか?
どう論じられていくのか?
それが今回のテーマとなります配置と質の担保の核心に触れるわけで、例えば通所介護であれば、一日のサービス提供時間と利用人数にて必要な人員配置が定められています。
ほかにも訪問介護であれば、その事業所に常勤換算方法で2.5名以上必要など、各事業やサービスによってその人員配置の設定は様々です。保育園や学童保育もそうで、保育園であれば園児の年齢に即した保育士数が定められています。
これら人員配置は、それぞれのサービスの質そのものを維持、安定させる目的に定められた最低ラインとなります。事業者はその最低ラインを維持し、かつ安定させた事業運営が常日頃から求められるわけです。
その中の特別養護老人ホームなどの施設系に係る人員配置基準について!特に今回紹介した検討会議では、これら施設系に係る人員配置が話題となりました。
現在、制度上ご利用者対介護職員及び看護職員の割合は3対1(入所者3人に対し職員1人)とされています
この3:1はあくまで最低基準であり、もちろん満たさなければ違反です。あと、3:1と言っても常に3:1というわけはなく、基準上は「常勤換算方法」によるものですので、くれぐれもお間違いのないようにお願いします。
この3:1の基準ですが、実際はサービスの質の担保と職員の負荷を軽減することを目的に、3:1の基準より多くの職員を配置しているところが多いそう。地域の人材事情等によっては、2:1の配置が実現している施設もあるようです。
こうした実情の中、国は離床センサーなどのシステムを積極的に導入し、少ない人数での運営が実現している事業所を例として紹介しています。
今後の厳しい人手不足なども念頭に、まずは3対1の人員配置を広く一般的なものとしていきたい考えを示し加えて、施設などに対する設備投資への補助を拡充していく計画を説明し、今後の人員配置基準の見直しを論点にあげたそう。
また会議の有識者からは人員配置基準の緩和を求める声も挙がっていたそう。
その中の有識者のひとりの意見としては、例えば4対1の人員配置にを実現すれば、多くのマンパワーを創出できるというもので、併せて今の半分の人数で施設運営できるような現場の革新と規制緩和を進めるべきといった話も出ていたそう。
つまりは、「現行の人員配置基準にとらわれず、生産性向上に取り組める環境のもと、新たな体制づくり」の必要性を説いていたわけです。
こうした動きは介護分野だけでなく、保育や障がいサービスといったほかの福祉分野でも今まさに協議されている内容で、マンパワーの数的課題と、本来在るべき質の担保をいかに整えていくかが重要と言えます。今後の介護報酬改定をめぐる議論においても、おそらく議題のひとつとして挙げられる、そんな内容ではないでしょうか。
それではまた。
「どうなるんだ、ほんとに!」・・・ってか俺も参加させてくれィ!
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