多機能に期待!これからの老健。「Sensin NAVI NO.230」
- 2019.11.30
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその230」となります。
・・・今回のお題は!
多機能に期待!これからの老健。 お送りします!
「老健とはいわば、介護保険制度に基づく介護老人保健施設のこと」
さて、今回ご紹介するのは、「介護老人保健施設(老健)のこれから」。
この支援相談員ですが、老健独自の職種で、相談窓口的な機能を担っています。
特別養護老人ホームや通所介護センターに配置される「生活相談員」とはその役割や機能が異なるもの。支援相談員は、入所者の受け入れのほか、入所者の日常的な相談はもとより、入所者のご家族からの相談、さらにはご利用者を支援します。
介護老人保健施設は、
在宅で生活できる状態に回復することを目的に、心身の機能回復(リハビリテーション)訓練、食事・排泄・入浴・就寝・健康管理などの日常生活の介護、心身の機能維持、通院への付き添い、急性の病気・負傷時の病院への搬送・付き添い、介護保険が適用されるサービスに関する相談などを行ない、できる限り自宅での生活に復帰できることを目標にする施設のこと。
・・・しかしながら、施設の目的や主旨とは異なり、中長期的に入所される方も少なくありません。
中間施設としての立ち位置も、実際のご利用者の状態や在宅の環境、ご家族の支援などの要因から、必ずしも在宅復帰に結び付くことはそう多くはありません。志し半ば在宅復帰を断念し、予想以上の長期入所のほか、その後の特別養護老人ホームをはじめとした別施設への移行など、目的や主旨とくらべてもその現実は異なります。
・・・ですが、最近ではその中間的機能を活かしたターミナルケアとしての役割も注目され、要介護者の入所が限定された特別養護老人ホームよりも比較的入所しやすい利点もあることから、その立ち位置たる評価は見直されつつあるように感じます。
在宅復帰及びターミナル又は繋ぎ機能など、多目的かつ多機能的な施設、それが介護老人保健施設です。
その施設の職種のひとつ、支援相談員!
老健の場合も、ほかの入所系同様に、入所時の相談や、入所後の生活の相談を受けます。支援相談員の役割として求められるのは、やはり退所後の生活の場の支援。老健は原則として、病院を退院してから自宅に戻るまでの期間を一時的に過ごすための施設です。
そのため支援相談員は、利用者の入所後すぐに在宅復帰に向けた支援を開始します。
老健には介護職やケアマネジャーのほか、医師や看護師、リハビリ関連の職員など、さまざまな職種の人が働いています。こうした人たちと連携して、よりよい在宅復帰を模索します。
しかし中には前述したよーに、在宅復帰が困難な入所者もいます。
その場合は、介護や医療サービスを受けられる施設の情報を本人や家族に紹介したり、施設への入居の仲介をすることも、重要な仕事です。
老健の退所後も、必要に応じスムーズに生活できているかどうかを確認するわけです。
「なかなか大変じゃない!」
老健施設は、リハビリスタッフや看護師、医師等の配置基準が介護老人福祉施設より多く、介護老人福祉施設より介護報酬は高く設定されています。
リハビリ等が介護老人福祉施設より充実し、できる限り在宅復帰を目標にしているため、入所期間は介護老人福祉施設と違い無期限ではなく、3か月毎に退所か入所継続の判定が行われることになりますが、現状では介護老人福祉施設の入所待機所として利用している入所者も多く存在します。
そんな中、在宅復帰等を推進せず、療養型に特化した老健施設も全国的に多々存在します。この場合、在宅への復帰は目標とせず、事業目的・サービスに看取りも含まれているので、介護老人福祉施設、介護療養型医療施設、医療療養病床と同様の対応となります。入所期限はとかく無期限でありますが、病気や障がいの進行や悪化により、介護老人保健施設でケアできる範囲を超えた場合や急性期の病気や障がいにて急性期病院に入院する場合には退所となります。
しかしながら、前回と前々回の介護保険法の改正では、その老健の機能や役割がさらに明確に区分されることになり、上記のような老健施設は介護報酬自体が、ほかの在宅復帰等を推進している老健と比較して低い設定となっています。
在宅復帰等を推進するということは、それだけベッドの回転が速いことから、もちろん空床の状態を生じる結果となります。ですが、本来求める老健機能として運営している場合には、やはりその分のインセンティブとして、介護報酬が上乗せされているわけです。
現在、老健の区分は全部で3つあり、それぞれの機能や要件に応じて「在宅強化型」「基本型」「その他」に分類されることになります。
介護報酬の違いとして、
例えば要介護度3の方の1日の介護報酬としての基本単位(従来型多床室の場合)は、
「在宅強化型」が1070単位に対し、「その他」は968単位と、102単位も異なります。*令和元年11月時点となります。
1日の単位数でこの開きですので、加算や定員で考えた場合、また月単位、さらには年単位で試算するとその差は歴然といえます。
最後に!この3つの区分の要件は様々で、
①在宅復帰の際の退所時に、入所者及びそのご家族への退所後の療養上の指導を行っていること。
②退所後の居宅を訪問するなどして、居宅における継続的な生活ができているかの確認及び記録。
③実際に在宅復帰した方の割合の一定数の確保
④理学療法士や作業療法士などのセラピストの配置状況
⑤支援相談員の基準以上の配置
・・・などなど、それぞれの要件にあるポイントを合算し、最終的に「在宅強化型」「基本型」「その他」に区分することになります。
なんにせよ、在宅との中間施設である老健は、
「在宅復帰」だけでなく、「繋ぎ」としての役割のほか、ターミナルケアの機能など、実に様々な対応が求められます。
その窓口として主となる支援相談員!
居宅介護支援事業所との連携や協力のほか、他法人の施設や病院等の医療機関との調整、そしてご利用者とそのご家族との相談業務と、
実に幅広い視野と知識、さらには迅速かつ的確な動きが求められるということ!
以上!多機能に期待!これからの老健。をお送りしました。
それではまた。
「なるほどな・・・特別養護老人ホームはもちろん、介護老人保健施設も同様、地域の社会資源として重要な役割を担っているというわけだ」
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