介護扶助の取り扱いとその考え。「Sensin NAVI NO.173」
- 2019.07.23
- 法人
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーことMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその173」となります。
今回のお題は・・・・
今回は介護サービスにおける「介護扶助」についてお送りします!!
「介護扶助?なによそれ。新しい介護サービスの一種?」
「いえいえ、これは生活保護法に基づく扶助のこととです」
「どういうこと?」
「介護保険サービスを受けるには、もちろん利用に掛かる一定の自己負担が発生します。ですが、収入や年金などが少ない、または全くの無収入の場合には介護保険サービス自体受けることができなくなります」
「そうした不利益な状況に陥らないように、生活保護法の理念や目的のもと、保護を受給する方には、介護扶助といった形でその支援を受けることができるわけです」
・・・というわけで、ここからは「本番」です。
まず、皆様に以前ご紹介しました生活保護法。
生活に困っている方々に対して、その状況に応じ、必要な保護を行うとともに、生活保護を受けている方々の自立の努力を援助する制度です。
その中の制度の中にあります「介護扶助」。
こうした扶助は現在8種類あり、その中のひとつが介護扶助です。
2000年に創設された仕組みで、生活保護法第11条によって定められています。介護保険制度の導入に伴い、介護保険の対象となる介護サービスについて、
最低限度の生活の内容として保障するためのもので、介護保険法に基づく介護サービスのすべてが対象になります。
さて、その生活保護は、市町村へ申請を行い生活保護の給付決定を受けます。
ただ、その際には「ミーンズテスト」という「資産調査」が行われることになります。最近は生活保護の率が上がっていることから、窓口の市町村もその申請に掛かる手続きについては非常に厳格なものとなっています。もちろん、ある一定の資産があるとみなされた場合、それを活用してでなければ生活保護を受けることができません。
生活保護の考えは原則世帯単位で、基準額が設定されています。
個人毎の1類と家族単位の2類、それに各種加算を加えてその家族の基準額を算出するわけですが、
それに対してその世帯の収入額とを比較して基準額の方が高ければ、その分を給付される仕組みとなっています。
介護保険サービスを受ける際には、生活保護の場合は居宅サービス計画書は福祉事務所に提出する必要があります。
あくまで在宅で支援を受ける場合の話ですが、一方でサービスを提供する側の事業者は、介護保険法の指定事業所であるだけでなく、生活保護法の事業者指定を受けている事業所でなければサービスを提供できません。(通常、両方の指定を受けています。)ちなみに介護扶助の給付は、原則として現物給付の方法によります。
指定された介護機関は、福祉事務所の交付する介護券(介護扶助対象であること等を証する書類)に記載された資格情報等を、介護報酬明細書に転記して、
介護に要した費用を国民健康保険団体連合会へ請求します。他の法令等による給付がある場合には、その給付を優先します。
生活保護法に他法優先と言う原則があるので、介護扶助は、優先的に介護保険が適用され、残りの額を福祉事務所の発行する、介護券という形で生活保護費を支給することなります。
介護扶助の介護方針及び介護報酬は、介護保険の介護方針及び介護報酬の例によります。従って、原則介護保険と同範囲・同水準の介護サービスが給付されるものとなっています。
ここで補足ですが、収入等がある程度ある人に関しては、介護券に一部自己負担額が記載されている場合もあります。つまりは生活保護受給者であっても、ある一定の収入がある場合には多少なりとも自己負担を要することになります。
・・・一方、生活保護法には介護扶助のほか、医療提供に掛かる医療扶助もあります。
本法の扶助の一つとして、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない方に対して医療の給付を行うものです。国民の医療を保障する制度としては、本法のほか健康保険法、国民健康保険法等の医療保険制度、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、障害者総合支援法等がありますが、これらの制度はいずれも適用範囲が限られている等から、最終的な医療の保障は医療扶助が行うことになります。
・・・さて話は戻り、居宅サービスを提供する在宅サービスの事業者や担当のケアマネジャーは、生活保護受給者に対するマネジメントやサービスを提供することも想定されます。
その為には、生活保護法の本質とその内容、そして介護扶助をはじめとした細かな内容についても熟知しておく必要があるといえます。
また、施設に入所された場合の取り扱いなど、施設系サービスは在宅とは異なる仕組みとなっておりますゆえ、施設系の相談員やケアマネジャーも同様と言えます。
・・・以上、介護サービスにおける「介護扶助」を主にご紹介しました。
それではまた。
「なるほど、そんな仕組みになってるのね。よくわかったわ」
「そうです。いわゆる一種の公的扶助なわけです」
「なかなか成長してきたな、この男も」
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