2019年7月

介護保険負担割合証とは。「Sensin NAVI NO.172」

  • 2019.07.21
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーことMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその172」となります。

 

 

 

 

 

 

 

今回のお題は・・・・

 

 

 

今回は、介護保険サービスに係る負担割合についてお送りします!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負担割合?なによそれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「介護保険サービスを受ける際に支払う自己負担の割合のことですよ」

「介護保険被保険者証、介護保険負担限度額認定証にならぶ大事な証明書のこと」

 

 

 

 

 

 

 

「むっ(怒)!」

 

 

 

 

 

「あわわ・・・(恐)」

 

 

 

 

 

 

・・・というわけで、ここからは「本番」です。

 

 

 

 

まず、皆様は「介護保険負担割合証」をご存知でしょうか。

介護保険制度が開始された当初、基本一律介護保険サービスを利用した場合の自己負担は1割でした。

それが2015年の介護保険法改正に伴い、年金収入等で年間280万円以上(夫婦なら346万円以上)の人の自己負担が1割から2割に引き上げられたわけです。

そこでこれを明示するために、介護保険被保険者証とは別に、負担割合証というものを市町村単位で交付するようになったわけです。

 

その後・・・

最近の2018年の法改正では、さらに所得に応じた3割負担も導入されています。

 

「本人所得」「世帯収入」「世帯人数」などの要件を満たす人は、1割ではなく、2割もしくは3割の負担が必要となるわけです。いわゆる3割負担の対象者は「現役並みの所得がある人」としての取り扱いとされています。

・・・なぜこのような負担割合の見直しが段階的に行われたのか。

 

 

それは‥

①「世代内・世代間における負担の公平性を保つ」

②「負担能力に応じた負担を求める」

 

・・・というのが理由とされています。

 

 

また、課せられた負担割合にかかわらず、

居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額を超えた部分については、

全額自己負担が基本です。

 

 

 

《利用限度額》

要支援1:50,030円
要支援2:104,730円
要介護1:166,920円
要介護2:196,160円
要介護3:269,310円
要介護4:308,060円
要介護5:360,650円

*現在のその居宅サービスの限度額がこちら↑要介護区等によってその上限は異なります。

 

なお、令和元年10月の消費税増税に併せた介護報酬の改定にて、この限度額の上限も見直されるそう。

この介護保険サービス利用料の負担割合ですが、前年の「本人個人の所得」と「世帯収入」「世帯の人数」で決まります。そのため、夫婦間で負担割合が違うケースも発生します。

 

☟ここからはその負担割合ごとの基準をまとめます。

 

 

 

(1)まずは一般的な負担割合が1割のケース。

 

負担割合が1割となるのは、次の基準に当てはまる人です。

①第2号被保険者(40歳以上65歳未満)

②市区町村民税非課税の方

③生活保護受給者

 

 

そして第1号被保険者(65歳以上)のうち

①本人の合計所得金額※が160万円未満の方

②本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満

かつ・・・

年金収入とその他の合計所得金額※2の合計額が
単身世帯:280万円未満
2人以上世帯:346万円未満

 

 

・・・の方となります。

 

 

 

 

次に!

(2)負担割合が2割のケース。

 

以下に当てはまる場合は、負担割合は2割となります。

第1号被保険者(65歳以上)のうち

 

①本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満

かつ・・・

年金収入+その他の合計所得金額の合計額が
①単身世帯:280万円以上
②2人以上世帯:346万円以上

・・・の方。

 

 

②本人の合計所得金額が220万円以上

かつ・・・

 

年金収入+その他の合計所得金額の合計額が
①単身世帯:280万円以上340万円未満
②2人以上世帯:346万円以上463万円未満

 

・・・の方となります。

 

 

 

 

「なかなか難しいな・・・」

 

 

 

 

そして!

(3)負担割合が3割のケース。

 

65歳以上で「現役並みの所得がある人」は、負担割合が3割となります。

その“現役並み”の判定基準は、高齢者医療の窓口負担割合と同じです。

 

第1号被保険者(65歳以上)のうち

①本人の合計所得金額が220万円以上

かつ・・・

 

年金収入+その他の合計所得金額の合計額が
①単身世帯:340万円以上
②2人以上世帯:463万円以上
の方となります。

 

 

 

 

 

「こんなの自分ひとりじゃとても判断できないわ・・・」

 

 

 

 

 

 

大丈夫!そのためにあるのが負担割合証なわけ!」

介護保険サービス利用料の自己負担割合は、市区町村が交付した「介護保険負担割合証」に記載されています。

負担割合は前年の所得を受けて認定されるため、介護保険負担割合証が交付されるのは、例年6~7月ごろとなります。新たに要介護・要支援認定を受けた方には、認定結果の通知と同時に交付されます。

 

また、負担割合の変更があった場合の再交付は、変更が必要な事実が確認された翌月に行われます。
ちなみにその有効期限は、認定された年の8月1日から翌年7月31日までとなります。

介護保険サービスを受ける際には、介護保険負担割合証を介護保険被保険者証とともに、サービス事業者や施設に提出する必要がありますゆえ、負担割合を確認したあとも、大切に保管しておくことが大事です。

 

 

 

 

・・・以上、「介護保険負担割合証」をご紹介しました。

 

 

それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「1割から3割。介護保険制度が生まれてからほんとうに変わったわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当時は一律1割負担だったものが、いまや介護保険制度を運用する財源の確保が難しいのが現状」

「国としても制度の持続を図る上では苦渋の選択だったように感じます。ですが次回法改正の動きの中で、一律2割負担の導入が検討されています。そうなると将来的に、収入等に応じた自己負担割合も4割や5割に変更されていくのも、そう遠い未来ではないような気がします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サービスを受けたくても利用できない、そんな介護難民を生み出すだけじゃないか!」

 

 

 

 

 

 

「そうは言っても、現在の高齢化率のさらなる上昇と核社会構成、そして少子化などなどの課題がある中、膨張する社会保障費の確保はやはり難しいもの。そうならないよう、ぜひとも国の施策として、利用者側の負担を少しでも軽減できるような、そんな抜本的な方策に期待したいものです」