意外と混乱しそうな「加算算定」そもそも論。「Sensin NAVI NO.143」
- 2019.05.12
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーことMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその143」となります。
今回のお題は・・・・
題目通り!意外と混乱しそうな「加算」そもそも論と題した、介護保険制度に設けられている加算の根本的考えについて紹介します。
「この前の総括に続いてそもそも論って・・・」
「一度原点に振り変える、それが奴のポリシー」
「なんだかんだ言っても、認めてるわけね(笑)」
「yes!」
「それがこのSensin NAVIの醍醐味!」
・・・というわけで、ここからは「本番」です。
・・・さて、冒頭でもお伝えした「加算」について!
介護保険制度に基づくサービスは訪問介護や介護老人福祉施設など、在宅や施設サービス等多岐にわたります。
その中で「加算」とは、制度上定められた基準以上の職員配置や、プラスアルファの取り組みを実施した場合に、日々の「介護報酬」のほか、基本単価とは別枠の「加算」として報酬にプラスされるものを言います。
いわゆる付加価値としてのインセンティブということ。
今回ご紹介したいのは、
「加算算定の根本的考え」について!!お話します。
まず、介護保険制度に設けられた全ての加算は、基本複数の要件を満たす必要があり、複数の要件のいずれかが抜けていることが 「過誤」の典型的パターンとしてよく言われるところです。
要件は、一般的なものとしては単位数表と解釈通知ですが、その他の通知類及び厚生労働省にて発出されるQ&Aもしっかりと目を通しておく必要があります。単純にひとつに集約されていないことから、その解釈にズレが生じることがあるのが、介護保険制度の良くも悪くも特徴なわけ。
ここで施設系サービスを例として挙げると、
①「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準」
②「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定 入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関す る基準の制定に伴う実施上の留意事項について」
③「厚生労働大臣が定める者等」
④ 「厚生労働大臣が定める基準」
⑤ 「厚生労働大臣が定める施設基準」
⑥「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」 のほか、
厚生労働省が発した各種Q&A,連絡事項等 それぞれにその解釈や考え方が触れられています。
基本的には解釈通知と各種Q&Aが主となりますが、その解釈通知等に明記された用語に対するそもそもの考え方が、ほかの通知等に明記されている場合が多いことから、簡単に読みとりにくいのが今の介護保険制度です。
それは介護保険に限らず、保育や学童保育といった児童福祉、また障がい福祉も同様です。
しかしながら、ほかの福祉系にくらべても、この介護保険制度は特にサービスの種類が多いことから、より複雑な構成となっています。
「ほんと、有りすぎだわ・・・」
・・・そして、加算の多くに必須とされる「記録」について。
制度上、記録が必須であるといったように明確に示されている加算に関わらず、個々の加算の算定要件を満たしていることが、
事後的になんらかの形で確認できなければなりません。その為算定要件に関係する記録は事実上必須であると理解することが重要です。
加算の算定要件に必要な資格者を配置していても、口頭で「この人です」と言って済まされる話でないということ。
その資格者の資格証の有無はもちろん、労働契約書の有無や実際の職務状況等の確認が必要となることから、それらを証明できる資料、いわば記録がその根拠となります。職務状況であれば、タイムカードや休暇簿、またその資格者の役割を担うよう辞令等で明確にしているかが求められます。
上記の内容はあくまで一例ですが、ほかにも例えば基準上「週2回以上の入浴もしくは清拭」が義務付けられた事業であれば、
きちんと記録としてその実績を明記したものを示す必要があります。
行政機関が確認するのはあくまで「事後」で、かつ「記録」であることから、それらを日常的に準備・作成しておくことが求められます。記録については、手書きの個人ファイルを使用しているところもあれば、昨今のICT化の促進を受け、すでに電子カルテ等の簡素化を図っているところと様々かと思います。
ここでハッキリと言いたいのが、記録は行政機関の調査のためだけに作成するものではないということ。実地指導等での確認事項だから、事業所は必要な記録をその為に揃えると言った考え方は、まず根本的に間違いなわけで‥。
事後的に確認できなければ報酬請求事務がそもそも不可能、と言うより算定してはいけないもの。
制度上の要件を満たさず算定していること自体が、すでに法に逸脱しているといった認識を常に持つべきと考えます。
加算等わ、請求するにあたっては、算定要件を満たしていることを記録に 基づいてきちんと確認した上で行うべきものです。
仮に必要な記録がない(内容不十分な場合も含む)ことが請求後に判明した場合は、「報酬の返還」であったり、それが常態的かつ悪質とみなされた場合は、事業所として「指定の取り消し」、つまり運営中止といった最悪な事態を招くおそれもあります。
次にお話するのが「説明と同意」。
個別性が必要なサービスに係る加算については、基本的に、入所者に対する説明と同意が 必須となっています。
説明と同意を必須とする加算については、他の算定要件が満たされていても、同意が無い以上算定はできません。
その場合の算定は同意日以降となりますので、同意書の日付より前にその加算が算定(特に新設)されているようであれば、それは同意無しとみなされ、要件を満たしたことにはなりません。
そして算定の開始は、あくまで全ての要件が揃った時点であることを忘れてはいけません。
また、原則として入所者全員に算定するものとされている加算、例えば個別機能訓練加算や栄養マネジメント加算については、入所者全員につい て算定要件を満たすよう努める必要があります。
しかしながら、入所者全員に算定するものとされている加算であっても、入所者個々に算定要件を満たしていない場合は、当該入所者については算定できませんのでご注意ください。
ここでよく「努める」といった表記が散見されますが、これはあくまで努力義務です。
しかし、かと言って努力義務だから無視してよいものではなく、なにかしらその算定に向けた姿勢、要はいかに努力しているかがが求められます。
鼻からなにもしないといった考えではなく、
例えばこのご利用者は○○の理由で、○○してみたけど算定できない、といった理由が必要であり、そうした努力はしてみたが結果的に難しかったといった、いわば事業所としての試み、プロセスが重要となります。
最後によく実地指導等で指摘される内容として、入所者個々に算定要件を満たしていないことが多い部分としては、
計画の作成・説明・同 意が不十分であること、またモニタリング(実施状況の評価)やリハビリテーションの時間・回数等が要件に満たしていないなどが挙げられるそう。
「確かにそもそも論だわ‥」
そういうこと!
最後にもう一度!
加算は、根拠となる記録や相手への説明、同意があって初めて算定できるインセンティブであることを忘れてはいけません。
それではまた。
「それにはやっぱり制度理解が前提なわけね」
「もち!常に自己研鑽による制度理解、そして日々の処遇と併せた、記録等の整備と確認が必要なわけ!」
「そう!!」
「ふん‥今日は個人的にオススメのコーヒー豆を使って、焙煎した珈琲でも堪能しながら勉強しよっと!」
「ほんま好きやなぁ‥‥」
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