意外と混乱しそうな「加算算定」のこれから。「Sensin NAVI NO.139」
- 2019.05.04
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーことMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその139」となります。
今回のお題は・・・・
題目通り!意外と混乱しそうな「加算」と題した、介護保険制度に設けられている加算のこれからについて!!
「なに?」
「新しいパターンだな・・・」
「まあ一回ブレイクしようかなっと‥」
「よくアニメでもあるじゃん、途中で総集編的な」
「一呼吸置くの大事なこと」
「そういえば最近、入所帰りのニュータイプが現れたらしいですよ」
「おるかい!!」*シロッコじゃあるまいし。
「とにかくyes!」
「それがこのSensin NAVIの醍醐味!」*シャリア・ブルの可能性も否めないな。
・・・というわけで、ここからは「本番」です。
・・・さて、冒頭でもお伝えした「加算」について!
介護保険制度に基づくサービスは訪問介護や介護老人福祉施設など、在宅や施設サービス等多岐にわたります。
その中で「加算」とは、制度上定められた基準以上の職員配置や、プラスアルファの取り組みを実施した場合に、日々の「介護報酬」のほか、基本単価とは別枠の「加算」として報酬にプラスされるものを言います。
いわゆる付加価値としてのインセンティブということ。
さてさて、今回を含め、これまで意外と混乱しそうな「加算算定」シリーズとしてお伝えしています。
いつのまにやら13回を数えるこのシリーズですが、当法人の管理業務に携わる職員の皆様はもちろん、介護業界を担う皆様が少しでも興味を持ち、また少しでも制度理解に繋がるきっかけや学びになればとの想いからの投稿となっています。
若干Mる的主観的観測もありますが、少しでも多くの皆様に活用いただければ幸いです。
さて、平成30年の介護保険法改正では、全体ではプラス改定と言われていますが、
主に通所系サービスの報酬の減収のほか、加算の新設や共生型サービスの誕生、そして介護ロボットやICTの活用等また新たな枠組みも多数設けられました。
多様化するニーズへのきめ細かい対応や質の高いサービスの展開、現場を支える職員の負担軽減などを図っていくことを目的に、
こうしたコンセンサスのもとで実行される前向きな施策が図られています。
‥しかし、一方で「制度がとにかく複雑過ぎる」。
介護保険制度は、2000年に「介護が必要な高齢者を社会全体で支える」ことを目的にスタートしたわけですが、これまでに何度も改正が繰り返され、高齢者を取り巻く状況にあわせて変化してきました。
社会情勢やご利用者のニーズに合わせ、様々なサービスが生まれ、そのサービスの仕組みが構築されてきたわけです。
・・・しかし、介護現場としては、基準が頻繁に変わることで「理解しきれない」というのが本音と言えます。
直近の改正に向けた審議の中でも、その制度の複雑さゆえ、サービスを利用するご利用者だけでなく、サービスを提供する立場である事業者側についても、それら制度を熟知し、かつ理解できているのかが議題の中で大きく取り上げられていたそう。
制度を議論、審議する有識者に限らず、実際に事業を運営する私たちこそ、一番肌に感じていることではないでしょうか。
制度の複雑さに追い付いていない。・・・いや追い付けないと言ったほうが正しいのかもしれません。
これまでの改正でも、同様の懸念は幾度となく問題視されていました。
すべてサービスの質の充実、これからの福祉を考えての施策ではありますが、
「報酬体系の簡素化を進めていくことの必要性」
・・・が、直近の制度改正前にも、厚労省に設けられた社会保障審議会・介護給付費分科会でも、出席する複数の委員から問題提起されています。
加算やその要件、各サービスを取りまくルールの増加。
それぞれに細かい運営基準が定められることになり、障がい福祉や医療保険といった他の法制度との関係も把握しておかなければいけません。
またペーパーワーク、いわゆる事務的作業がますます煩雑になってしまう、という不満もある中、
2021年度の次回改定に向けた検討課題のひとつに、「報酬体系の簡素化」が位置付けられているそう。
報酬体系とはつまり、事業やサービスごとに設定された報酬単価や、これまでご紹介してきた各種加算を定めたもので、
昨今のあまりにも複雑かつ多様なこれら報酬体系に対する是正、見直しを図ろうとするもの。
・・・すでにこうした簡素化の動きは、報酬体系意外に具体的に実践されつつあります。
介護保険サービスを担う事業所には、管理者や従事者等人員基準に係る内容をはじめ、制度に基づく運営基準の変更には、その事業所の指定権者である各県や市に届出を行うことが義務付けられています。
その変更に係る書式も様々で、それら変更に係る根拠資料等の添付も同時に準備する必要があります。
こうした事務手続きの負担を少しでも解消もしくは軽減できるよう、国は、事業所の変更届や指定更新等の事務作業の簡素化を進めています。
添付資料の削減により、一部のペーパーレスには繋がるも、根本の届出が必要なことには変わりません。それにそれぞれの行政区域、自治体にもその見解が異なることから、簡素化も自治体によってバラツキがあるなど、その温度差を感じるところ。
そうした実情がある中での今回の「報酬体系の簡素化」。
制度開始から約20年が経過する中、この20年の制度の歩みや進め方について、今まさに「報酬体系」についても改めてじっくりと検証すべき時に来ているように思います。
こうした課題に対し、次回改正ではどのような形で反映されていくのか。
簡素化と言っても、むやみやたらにするものでもないことも確か。ルールを厳格化することで、不正を防ぐことも一方で大事なこと。
制度を創る側と、それを実行する事業者側。両者の立場と考え方、想いが交錯する中で、果たしてどうなっていくのか。
ますます目が離せないことには違いありません。
「どうなっていくのかしら、ほんとに‥」
「事業者側の制度の理解、ご利用者への説明義務、確かに大変ね」
そういうこと!
加算はあくまで報酬体系の中の一部であること!
また報酬体系以外に、事業者として課された届出の義務!そして制度上の様々な運営に係る基準の遵守!
それを網羅し、かつ日々管理することが求められます!!
そしてこれらに併せ、日々のご利用者へのきめ細かな対応、質の高いサービス提供がもちろん根本であり前提であることは忘れてはいけません。
それではまた。
「処遇と制度、まさに両輪なわけね」
「そう!制度なくして事業語らず!事業なくして制度語れず!!」
「持ってくなぁ‥‥」
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