2019年5月

意外と混乱しそうな「加算算定」ver.13。「Sensin NAVI NO.138」

  • 2019.05.03
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーことMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその138」となります。

 

 

 

 

 

 

 

今回のお題は・・・・

 

 

 

題目通り!意外と混乱しそうな「加算」Ver.13と題した、介護保険制度に設けられている加算について紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく飽きもせず続けるわね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「多分暇なんでしょう‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたも見習いなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあまあ、穏便に‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・というわけで、ここからは「本番」です。

 

 

 

 

 

・・・さて、冒頭でもお伝えした「加算」について!

 

介護保険制度に基づくサービスは訪問介護や介護老人福祉施設など、在宅や施設サービス等多岐にわたります。

 

その中で「加算」とは、制度上定められた基準以上の職員配置や、プラスアルファの取り組みを実施した場合に、日々の「介護報酬」のほか、基本単価とは別枠の「加算」として報酬にプラスされるものを言います。

いわゆる付加価値としてのインセンティブということ。

 

 

 

 

 

 

 

・・・今回ご紹介したいのは、

入所系施設の「褥瘡(じょくそう)マネジメント加算」について!!お話します。

 

 

 

 

・・・意外と多い「○○マネジメント加算」のひとつで、前回No.137でも紹介しました「栄養マネジメント加算」も然り、

今回お伝えするのは褥瘡(じょくそう)マネジメント加算。褥瘡(じょくそう)とは一般的に「床ずれ」のこと。

 

 

 

この加算ですが、直近の平成30年の介護保険法改正にて新たに誕生した加算のひとつで、

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設がその対象となります。

一定の要件を満たした上、かつ事前に都道府県が指定する書類を用意し都道府県知事に届け出る必要があります。

 

 

 

 

 

まずはその要件ですが、

①入所者全員がその対象

 

入所者ごとの褥瘡の発生に係るリスクについて、

「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」によるモニタリング指標を用いて、施設入所時に評価するとともに、少なくとも3カ月に1回、評価を行い、その評価結果を提出する必要があること。

 

 

次に、

②上記1の評価の結果を受け、褥瘡の発生に係るリスクがあるとされた入所者に対する処遇

 

(1)関連職種の者が共同して、入所者ごとに褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成すること。

(2)褥瘡ケア計画に基づき、入所者ごとに褥瘡管理を実施すること。

(3)①の評価に基づき、少なくとも3カ月に1回、褥瘡ケア計画を見直すこと。

 

なお、介護医療院等のほかの介護保険施設については、褥瘡対策についての診療計画に基づいた取り組みが別に設けられていることから、今回の褥瘡マネジメント加算の対象とはなりませんのでお間違いなく。

 

 

褥瘡は、ご利用者様の苦痛を招き、さらに感染によって悪化してしまうと、その治癒までに相当の時間が要することもあることから、とにかく日頃からの予防が重要です。

このような加算項目として、褥瘡の予防及び改善がいちサービスとして評価されるようになったことは、それほど褥瘡のリスクが重要視されているということ。

 

 

 

そして次に算定できる単位数ですが、

10単位/月(※3カ月に1回が限度)

・・・とされています。

 

 

‥しかしながらこの加算ですが、次回の2021年度の介護報酬改定に向けた厚生労働省の調査報告では、

平成30年度改定で新設された「褥瘡マネジメント加算」を算定していたのは、

調査施設中、特別養護老人ホームが19%、介護老人保健施設が37%だったそう。

それに今後も算定する予定がない施設は4割を超えていたそうです。

 

 

 

 

 

・・・ではなぜ算定していないのか?

新設だからなのか?それともほかに何か理由があるのか?

 

 

 

 

 

 

 

この調査報告では、加算を算定していない理由として、

 

①「入所者ごとにケア計画を作成するのが難しい」

②「リスク評価を3カ月に1回以上行うのが難しい」

③「本人・ご家族の同意を得るのが難しい」

 

 

 

 

・・・といった実運営の難しさから敬遠している意見もあれば、

 

 

 

 

一方で、

④「そもそも加算の単位が少ない」

 

・・・といった、実運営の難しさに加え、その労力に見合った報酬ではないことが理由として挙げられているそう。

 

 

 

 

 

最後に!

直近の改正では、施設系サービスではほかにも「排せつ支援加算」たるものが同時に新設されています。

こちらの加算は一ヶ月100単位の算定で、さきほどの褥瘡の予防同様に排せつの自立に向けた取り組みの重要性に目を向けたもの。

 

 

 

「排せつを自ら済ませられるかどうか、その人の自を考えるうえでは極めて重要な要素」として捉えられており、

介護老人保健施設から入所者が在宅復帰できない理由でも、「排せつが自立していないため」が最も多くなっているそう。

 

 

 

この加算では、排泄に介護を要する原因を分析し、明らかになった結果を踏まえて個別の支援計画を作成したうえで、その内容に基いてサービスを提供していくことで算定できるもの。

 

・・・ただし!これはその支援を開始した月から最大6ヵ月までで、

入所期間中に一度加算を取得した場合、同じ入所期間中は取得出来ないといったルールがありますので、くれぐれもお間違いのないようお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

「この前の栄養といい、どんどんきめ細かくなっていくわね‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういうこと!

 

最後に!

この褥瘡マネジメント加算は、

ご利用者ひとりひとりの褥瘡リスクを回避し、真の自立、そして生活の質、いわゆるQOLの向上を支援するための加算であり、その対価としてのインセンティブなわけです。

それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

「栄養、褥瘡、排せつ、どれも大切なことなわけね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう!栄養こそその維持と管理!」

「褥瘡こそ予防とリスク回避!」

「そして排せつ支援こそ自立や尊厳を重んじた支援であること!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥というわけで、今日は珈琲ゼリーでも食べながら勉強しよっと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絡めるなぁ‥‥」