2019年4月

意外と混乱しそうな「加算算定」。「Sensin NAVI NO.126」

  • 2019.04.09
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその126」となります。

 

 

 

 

 

 

今回のお題は・・・・

 

 

 

題目通り!意外と混乱しそうな「加算」と題した、介護保険制度に設けられている加算について紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ、なにか今回はいつもより難しそうな内容ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「yes!」

「それがこのSensin NAVIの醍醐味!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどねぇー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・(汗)というわけで、ここからは「本番」です。

 

 

 

 

 

・・・さて、冒頭でもお伝えした「加算」について!

 

介護保険制度に基づくサービスは訪問介護や介護老人福祉施設など、在宅や施設サービス等多岐にわたります。

 

その中で「加算」とは、制度上定められた基準以上の職員配置や、プラスアルファの取り組みを実施した場合に、日々の「介護報酬」のほか、基本単価とは別枠の「加算」として報酬にプラスされるものを言います。

いわゆる付加価値としてのインセンティブということ。

 

 

 

 

 

 

そして今回ご紹介したいのは、

在宅サービスのひとつである「通所介護」の加算について!!

 

そもそもその通所介護ですが、制度上その基本方針として、

「要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない」

 

 

‥とされています。※長文で失礼します

 

 

 

 

‥つまり単にレクリエーションや入浴をするだけの位置づけではないということ。もちろん余暇時間の楽しみとしても通所介護を利用されている方もみえますが、本来の目的は「自立支援」。

 

 

 

 

通所介護では制度上「機能訓練指導員」たる機能訓練を主に担当する者が配置されるよう義務付けられています。

 

その機能訓練指導員のもと様々な訓練を提供したりしているわけですが、

今回ご紹介するのはその通所介護サービスに設けられた「加算」の中から、ひとつ刮目してお話させていただきたいと思います。

 

 

 

 

今回ご紹介するのは‥

 

通所介護における「個別機能訓練加算」!!

 

 

 

この加算ですが、それぞれ「Ⅰ」と「Ⅱ」が制度上設定されています。

 

これら加算を算定する場合、ご利用者様に適した目標を明確に立案した上個別機能訓練計画書を作成し、実際に訓練を提供する必要があります。

そこで、今回は個別機能訓練加算ⅠとⅡの違いをご紹介します。

 

 

 

 

 

まずは①単位数ですが、(Ⅰ)が1日46単位に対し、(Ⅱ)は1日56単位。

 

次に人員配置ですと、(Ⅰ)は「常勤」の理学療法士等の配置が必要です。

 

一方の(Ⅱ)は、「専従」の理学療法士等を1名以上配置していることが義務付けられています。非常勤の機能訓練指導員の配置でも算定は可能です。また、雇用契約等をクリアすれば同法人内で出向や派遣での対応も可能です。

 

 

 

次に機能訓練の実施者ですが、(Ⅰ)は必ずしも機能訓練指導員が実施する必要はなく、機能訓練指導員の指導のもとであれば他職種のスタッフでも実施することが可能とされています。

 

 

 

 

‥そして肝心の目的と訓練の内容、そして実施範囲ですが、

(Ⅰ)は筋力・バランスなどの心身機能の維持・向上を目指し、訓練の内容はご利用者様が主体的に選択でき、生活意欲を増進する訓練項目を複数準備します。人数の規定はなく、複数の「グループ活動」に分かれて実施することが可能です。

 

 

 

 

一方の(Ⅱ)はまず目的として、ご利用者様の身体機能を活用して、食事、排泄、更衣などの日常生活活動や調理、洗濯、掃除など家事動作の獲得を目指したり、趣味活動、町内会などの社会参加を目指すものとされています。

 

 

 

 

訓練の内容も目標にした内容の具体的な動作さやそれを模倣した動作を反復した訓練を提供する必要があり、

 

類似の生活目標をもつご利用者であれば「5名程度以下」の小集団(個別対応含む)に対して実施します。

 

 

 

 

この個別機能訓練加算ⅠとⅡの大きな違いとしてやはりその単位数

 

個別機能訓練加算Ⅱでは、身体機能を伴う応用動作の獲得を目的としてしているため、指導もより難しく、機能訓練指導員が直接指導することが求められています。

 

 

そのため、個別機能訓練加算Ⅰの単位数に比べ10単位ほど高い算定ができます。

 

 

 

 

 

 

 

・・・さらに実施範囲では、個別機能訓練加算Ⅰでは人数の規定はありませんが、

個別機能訓練加算Ⅱは、5名程度以下という規定が設けられていることがポイント。

 

 

 

個別機能訓練加算ⅠとⅡの双方に機能訓練指導員の配置が必要になりますが、個別機能訓練加算Ⅱでは、筋力や体力などの身体機能だけでなく、日常生活動作などの獲得を目指したより具体的な機能訓練を提供する必要があります。

 

 

そのため機能訓練指導員は、日常生活訓練に必要な設備を整えるだけでなく、同じ目標を持つ仲間を集めて機能訓練を提供することも重要な役割となります!

 

 

 

 

‥しかしながら、なんだかんだ言っても実際は結構混乱しやすいのがこの

「個別機能訓練加算」。

 

 

 

 

思い込みによる誤った方法で実施していると、実地指導等で指導されかねませんのでご注意ください。

 

 

 

 

 

さて、最後にそれぞれの訓練内容を紹介します。

 

まずは(Ⅰ)ですが、先述したように主に

「身体機能に直接的に働きかける訓練」や「疾患・疾病の維持と予防を行う訓練」を提供します。

 

 

 

 

身体機能であれば・・・・筋力トレーニング、ストレッチ(関節可動域)、協調性訓練、バランス訓練 などが該当します。

 

 

また疾患や疾病の維持と予防であれば・・・咀嚼・嚥下訓練や呼吸訓練、パーキンソン体操などがそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・一方の個別機能訓練加算Ⅱの訓練内容は、

 

 

 

 

 

①「基本動作訓練」

②「日常生活動作訓練」

③「家事動作訓練」

④「趣味・余暇活動」

⑤「社会参加」

 

 

・・・などの5つ生活目標を達成するための段階的な訓練を提供します。

 

 

 

 

①は寝返りや起き上がり、立ち上がり訓練などがそうで、

 

②は箸や自助具の使用、姿勢保持訓練、歯磨き、洗顔、髭剃りといったものから、ズボンの着脱、排尿コントロール、便座からの立ち上がりなども含まれます。

 

続いて③ですが、立位バランス、掃除機の操作をはじめ、衣服の取り出し、洗濯物干し動作、さらには買い物、包丁の使用、火の取り扱いなど。

 

④は趣味的要素を活かした訓練となり、囲碁や将棋、パソコン、園芸などとなります。これらは、長時間の座位保持や手指の巧緻性、認知機能や記憶など多岐の効果を期待できます。

 

最後の⑤ですが、町内会の集まりや食事会等の参加となります。これら活動を通して、歩行の耐久性やバランス能力、記憶、反射神経なども向上・維持に繋げていきます。

 

 

 

 

 

 

 

上記から、訓練内容は異なるこの個別機能訓練加算ですが・・・、

 

 

それぞれご利用者様に住み慣れた地域で在宅生活を継続することができるように、

機能訓練指導員等が身体や生活機能の維持または向上を目指し訓練を提供する、といった観点からは、なんら変わりはないということ。

 

しかしながら、算定にあたっては満たすべき要件がそれぞれ異なりますゆえ、算定の際にはしっかりと事業所にて細かく吟味した上実践していただければと思います。

 

 

 

 

‥以上、通所介護の「個別機能訓練加算」でした。
是非運営の中で参考にしていただければ幸いです。

 

そしてまたの機会にほかの「加算」もご紹介できればと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは、また。