養護老人ホームとは。「Sensin NAVI NO.125」
- 2019.04.06
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその125」となります。
今回のお題は・・・・
「いつのまにやらNo.125って、あなたも相当ね」
「yes!」
「とにかく伝えることは盛りだくさん、それがSensin NAVIの真髄!」
「へぇー」
・・・(汗)というわけで、ここからは「本番」です。
・・・さて、今回はいわゆる「老人ホーム」について。一般的にこの総称がよく使われますが、介護に携わる方々にとっては逆にあまり使わない言葉。
いまや高齢者や介護を要するいわゆる要介護者が利用する、または利用できる老人ホームは多岐にわたります。
俗に「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」と言われるのもその範囲に属するもので、ほかにも「軽費老人ホーム」や「養護老人ホーム」、最近では「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」といった施設もよく耳にすることと思います。また直近の制度改正では「介護医療院」という新たな施設も誕生しています。
これら施設の多くは、一見同じ老人ホームのように思えますが、対象者のほか、役割やサービス、そもそもの基盤となる法律も異なります。
今回はこの中のひとつ、養護老人ホームについてご紹介したいと思います。同じような名前で特別養護老人ホームもありますので、敢えて両者の違いも交えながら説明していきたいと思います。
ちなみにどちらも第1種社会福祉事業として位置付けられた施設です。
まずはその養護老人ホームの起源から、歴史的には1929年(昭和4年)に制定された救護法において、老衰、疾病、貧困などのため生活できないものを保護する施設として作られた「養老院」が始まりです。
戦後、日本国憲法が制定され、憲法第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」のもとに生活保護法が定められ、戦前の「養老院」が保護施設となりました。
そして今回のお題の養護老人ホームは、昭和38年に創設された老人福祉法第20条の4に該当する老人福祉施設です。
入所の基準は、原則的に65歳以上の高齢者で、身体や精神に障がいがある人となっていますが、65歳以下でも一定の条件を満たしている場合には入所できる事もあります。
住んでいる環境が独り暮らしなのかどうかも含めた環境や経済的な理由や、障害のため日常生活が困難だと判断された場合など、在宅では生活できない人が入所できる、いわゆる公的福祉施設となります。
ですので、養護老人ホームはあくまで生活に困っている人が対象でということ。
自宅での生活はできないが、身の回りのことは自分で出来る自立した人が入居の基準になります。つまり、生活に困っていたとしても、寝たきりの人や入院や通院を要する人は入居することができません。
生活保護法による施設であることが、ほかの老人ホームとは明らかにその位置付けは異なります。
そして養護老人ホームは行政による措置施設であるため、施設を管理している自治体(市区町村)へ申し込みをし、審査を経て入居するといった流れとなります。このような仕組みをいわゆる措置制度と言い、現在の施設と利用者が直接契約を交わす、契約制度との違いです。
また最大の違いは、養護老人ホームは介護保険施設ではないこと。
一方の特別養護老人ホームは介護保険制度を利用する介護保険施設となります。
ちなみに当法人であれば、三重県伊賀市の指定管理を経て、現在伊賀市久米町の伊賀総合ケアセンターシルバーケア豊壽園内にて養護老人ホーム「偕楽荘」として運営しています。
そして一方の特別養護老人ホームですが・・・
先述しました老人福祉法が制定された昭和38年に老人ホームが規定されたのを受け、養護老人ホームの類型としてできたのが特別養護老人ホームです。
特養は、これまでの養護老人ホームの対象者のなかでも要介護者の介護をすることを主な目的として作られました。
身体的または精神的に障がいがあり介護を常に必要とする高齢者が、自宅で介護を受けられない場合に、介護を受けながら生活を送るための施設です。
そのため、施設の主な目的は高齢者の「介護」です。
特養はその後の介護保険法の施行により、老人福祉法上の老人福祉施設に加え、介護保険サービスの「介護老人福祉施設」として位置付けられることにもなったわけです。
介護保険制度では、基本入所の要件は要介護度3~5とされていますが、平成27年の改正を経て一定の要件を満たしていれば、要介護1~2でも入所することもできます(いわゆる特例入所)。
各々の介護や支援といったサービスも大きく違いがあります。
ま特養は介護を目的とした施設として、介護サービスが充実しており、食事や入浴、排せつなど日常生活に必要な介護や、機能訓練や健康管理、療養上必要な世話などを受けることができます。また介護職員も常時配置されています。
一方の養護老人ホームは生活困窮者の養護が本来の目的であり、基本的に身の回りのことは自分でできる方を対象にしています。
それゆえ、一般に施設による介護サービスは行っていないこと、また介護職員の配置も義務ではありません。
‥‥では介護が必要になった場合はどうなるのか?
その運営する施設の考えや方針によって異なりますが、対象じゃないからと言ってすぐ行き先もないまま退去といったことにはなりません。然るべき施設への移行や転居の検討や協議はもちろん、養護老人ホームでは外部からの介護サービス(訪問介護など)を受けることもできます。外部サービスをうまく活用することで、そのままの生活を維持されている方もたくさんみえます。
‥以上、養護老人ホームの紹介でした。
またの機会にほかの施設もご紹介できればと思います。
それでは、また。
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