変革する介護保険制度。「Sensin NAVI NO.94」
- 2018.07.22
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその94」となります。
さて今回のお題は前回の続き・・・・
「まさか、またあの小難しい話!?」
「個人的には結構好きですけどね、ああいった話」
「そうそう!」
「ほらほら(笑)」
「それに意外とスケールの大きい話なんだよなぁ、これが。一回だと尺を取りすぎだし・・・」
「・・・て、意外と好きなくせに!」*ってあの男たちは一体?
さて前々回からさらに引き続き、「迷走する介護保険制度」&「混沌する介護保険制度」に続くNO.3。
当初1割負担から始まった介護保険制度も、すでに所得に応じた応能負担が導入され、2割負担のほかこの8月には3割負担が一定割合で設けられることになっています。
そして介護給付費の拡大かつ多様化、そしてその需要性により、基本40歳以上から納付する必要のある介護保険料も各地で高騰しています。
また首都圏と山間部との地域格差も甚大で、
制度上設けられたサービスがそもそもなかったり、慢性的な人材不足にて充分なサービスが提供できていない地域も存在しています。
しかしながら、根底にあるのは介護保険制度の存続と維持。
超高齢化と共に、人口推移の変化や核家族化、そしてその方々を支える働き世代の減少、着実に介護保険サービスに必要な社会保障費が年々膨張しつつあります。
そしてこれら国の施策と同時に、
私たち社会福祉法人をはじめとした経営者側も、単に事業を実施する、サービスを運用するだけでなく、昨今の情勢と将来を見据えながら、これからはなんらかのアクションや動きが必要になりつつあるように感じます。
これまでのお伝えした「NO.1からNO.2」では、
次回介護報酬改定に向けた国の改革案(あくまで現時点の案)についてご紹介しましたが、
最終章の今回は、提示された8つの改革案のうちのひとつ!
「介護サービスの経営主体の統合・再編」について、さらに具体的に触れてみたいと思います。
そもそも、介護サービス事業者の再編については、これまでも何度も議論されていました。
特に社会福祉法人の経営基盤の安定化を図るには、「一法人一施設」ではなく、
複数の施設・事業経営による「規模の拡大」が必要である、と。
その為にも法人間の合併についての「推進」がこれまで何度か提言されたわけですが、
しかしながら結果としてその合併実績はほんの数える程度しかなく、現在に至ります。
そのような実績の中、今回の改革案では改めて、この介護サービスの経営主体の統合・再編についても盛り込まれたわけです。
これまでの合併議論については、合併の推進と促進であり、あくまで国としての「提言」として捉えられてきました。
しかし今回の改革案では、確固たる根拠をもとに、着実にその方向へと導くものとなっています。
具体的には・・・・
1. 介護サービス事業の人事や経営管理について、いち法人や団体で行うのではなく、複数法人や団体による統合・連携事業とすること。それを各自治体が目標を定めるなどして進めるていくというもの。
次に・・・、
2. 一定の経営規模を有する経営主体の経営状況を、今後の介護報酬等の施策の決定にあたって勘案することで経営主体の合併・再編を促すことに繋げるということ。
最後に、
3. これまでの事業の指定や更新手続きについて、一定の経営規模を有することや小規模法人については人事や経営管理等の統合・連携事業への参加をその要件とするというもの。
以上3点が提案されています。
これら提案の根拠は、介護事業経営実態調査(厚生労働省)のデータにおいて、
その事業規模が大きいほど経費の効率化余地などが高いことから経営状況が良好となっているからだといいます。
しかしながら、ここで重要なこと!
小規模な施設や事業所の経営状況については、これからの介護報酬改定の勘案材料に加えられないこと。
つまり、一定規模の経営基盤を有する事業所・施設の収支差をベースに次期改定における介護報酬を定めようというものに他ありません。
さらに指定や更新要件を、複数法人との連携を求めるということは、この再編&統合が、半ば強制的処置として捉えざるを得ないといえます。
制度の維持、存続を目した改革案ではありますが、
こうした内容が適用された場合の影響は、想像を絶するかことかと思います。
一方で、それら小規模事業所については、もちろん救済措置として、何らかのインセンティブや猶予策、代替案等を考えてはいるようですが、無論介護業界全に大きな混乱が生じるのは明らか。
これまでの法改正や報酬改定を経た今、既に地方では要介護高齢者数のピークアウト予測が近い市町村もあり、入所要件の厳格化以降、特養待機者が大きく減じたことから利用者確保に苦労するケースや、サ高住が廃業するケースも昨今多くみられるようになっています。
他方、首都圏のように今後の介護需要に対応する入所型サービスの供給量に乖離がみられる地域もあるそうです。
そういった各々の地域の状況が異なる中で、例えば東京都区部と山間部の町村の状況双方を勘案せず、単に事業者へ規模の拡大を迫り、総量規制を含めて自治体が介護サービス事業者の連携等の目標を定めて推進するという提案が、今後そう簡単に実現されるかはやはり疑問を感じるところ。
しかし、制度の継続を図る上ではなにかしらの対策が講じられるのは、そう遠い将来ではありません。
いずれにせよ、次期は大幅なマイナス改定となります。
平成30年度からのこの3年間。
次期改定と国の対策が講じられるまでに、私たち事業者は、これから訪れる変革に耐えうるよう力を蓄えていく必要があり、そして同時に、経営基盤そのものの強化に、より一層着手していかなければならないといえます。
それではまた。
「やっと終わったわ・・・(汗)」
「そういえば、以前よく出没していたあの男は最近どうしたのかしら・・・」
「確かYAGIだっけ・・・」
「なんでも通所介護では飽き足らず、入所系の基準を極めるとか言って武者修行に出ているそうですよ」
「あれ以上なにを求めているのかしら。まあしばらくは静かに過ごせそうね」
「いえ、おそらくあの男は近々現れますよ。風の噂では、最近老人福祉法まで熟知しようとしているそうです」
「それはなにかと厄介ね。久しぶりにあの戦隊HEROの出番かも、夏休みだし」
・・・続く。
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