2018年5月

Welcome to the Sensin YAGI「あの男、再び」

  • 2018.05.13
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、Welcome to the Sensin Yagiのお時間です。

今回より題してsecond season!!

 

一部コアかつ熱狂的(?)なリスナーからの絶大なるご要望を受け、再度登場しました。

さて、今回は介護保険サービスに位置づけられる介護保険施設のひとつ、「介護老人保健施設(以下老健)」について。

過去にあのブロガーMる氏が解説されていたことがありますが、今回はそのおさらいと、これからの老健についてお話できればと思います。

この老健ですが、その事業の機能や役割については、大きく分けて以下の5つと言われています。

介護に携わる方々も案外知られていない、あまり理解されていないのが現実のようです。

敢えてそんな内容をおさらいします!

 

老健の機能および役割は、

①包括的ケアサービス

②リハビリテーション施設

③在宅復帰施設

④在宅生活支援施設

⑤地域に根ざした施設

となっています。

 

どちらかといえば①や②、③のイメージが強い傾向にありますが、国が推進する地域包括ケアシステムの構築とその実践に向けては、その求められる役割は実に大きい施設。

包括的サービスやリハビリテーションについては、医師や看護師、いわゆるリハビリテーションスタッフ等の体制により、少なからず多職種協働によるサービスが展開されています。

 

 

ところが、その医師や看護師等、本来求めるべき基準以上の確保がなかなか難しい現状と、報酬体系もすべて包括化されていることから、その在り方自体がやや不透明感を感じます。

 

特に、在宅復帰施設として期待される一方で、実は全国的に見ても、老健から在宅復帰された割合は決して多いとはいえません。

もちろんそれは全国かつ地域の老健によって様々ですが、実は高い在宅復帰率を有する老健については、その一定成果のインセンティブとして、「在宅復帰」に係る加算等が設けられています。

 

また、在宅復帰の割合のほか、ベッドの回転率等高水準を満たす老健については基本報酬の単価自体を増額するといういわゆる差別化を設けています。

 

しかし、制度上このように設定されていても、実際に高い在宅復帰率を有する老健施設は少なく、在宅生活支援や地域に根ざした施設といっても、一体どのような役割を老健が果たしているのか分からないといった疑問も一方では生じています。

 

 

これらインセンティブを評価した加算についても、積極的に在宅復帰を目指すあまり、ベッド自体のそもそもの稼働率が低下することになり、収益の減少と共に、経営すら危うい状況となっている老健も少なくありません。

 

また、在宅復帰を実現する上では、もちろんご本人の希望や状態のもと、ご家族様の支援、また在宅に復帰された際の支えとなる様々な在宅サービスや医療機関等の協力が重要です。

 

そんな中、ご本人を取り巻く様々な環境から、ご家族の支援が難しかったり、地域の福祉資源を十分に活用できないといった諸事情から、止む無く施設生活を続けているケースも多いはず。

 

さらに事業所側としても、経営面から無理に在宅復帰に力を入れなくても、一定のベッド稼働率を安定させることに着目し、敢えて在宅復帰に消極的なところもあるようです。

 

 

となると、「介護老人保健施設」は「特別養護老人ホーム」となんら変わらないのでは?

 

…と感じてしまうわけですが、国や県もそうした状況を単に傍観していたわけではありません。

前回の介護保険改正でも、本来ある老健機能を充足させる施策として、在宅復帰と稼働率の矛盾の解消、そして経営安定を加味し、「在宅復帰」に係る加算額の増額を行っています。

「積極的な取り組みについては、それ相応の評価を行う」

国の在宅復帰促進と、在宅支援の機能強化を図る為の動きのひとつがまさにこれです。

 

そしてそして!

今回の介護保険法改正では、それら役割をさらに明確化し、かつ報酬体系自体も大幅に改正されることになりました。

つまり!老健そのもののの基本報酬が

「スコア型」と呼ばれる加点方式に変更されることになったわけです!

 

 

 

 

「スコア型?なんですかそれ?」

 

 

 

 

「おっ!なんかひさしぶりに出てきたけど、誰だっけ…」

「ま、いっか」

 

この「スコア型」については、計10個ある評価項目に点数が割り振られ、

最高90点のうち各施設がその評価項目をされぞれ満たした点数を合計したものに応じて、

「超強化型」「強化型」「加算型」「基本型」「その他型」の5つに分類されるというものです。

次回のNAVIでは、さらにその「スコア型」の内容について詳しく説明していきたいと思います。

 

 

 

 

…では。

 

 

 

 

 

「ついに動き出したわね、歩く通所介護…」

「それにあの男も…」

 

 

…To be continued。