進む「ICT」化、これからの福祉「Sensin NAVI NO.75」
- 2018.04.08
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその75」となります。
さて、ようやく介護保険法が改正されました。
新たな加算の創設のほか、事業に係る運営基準等も見直しが図られています。
その中でひとつ着目したいのがICTの活用についてです。
まずそのICTですが、いわゆる情報通信技術のことで、業務の効率化や円滑化を図る目的で様々な業界で活用されています。
最近では一般企業だけでなく、行政や学校等にてその導入が図られており、私たちが担う介護や児童といった福祉分野におきましても、人材不足や業務負担の軽減を目的として、
その活用の是非が今まさに議論されてきています。
そんな中、今回の介護保険法改正では、その情報通信技術(ICT)の活用について、その導入を後押しする内容が含まれています。
例として挙げますと、入所施設において、夜間帯でのご利用者の転倒等事故への防止に向け、いわゆる「見守りセンター」を導入することで、夜間帯における必要職員配置数の要件が少し緩和されるようになるとのこと。
実はすでにその前の改正においても、訪問介護に配置されるサービス提供責任者の緩和要件のひとつとして、このICT化が明記されており、いよいよ他の事業についても波及しつつあるようです。
確かに各記録類がその実施根拠となる中、その記録整備に多大な労力と時間が伴います。
その簡素化や効率化に向けたこうした取り組みは、今や人材不足に嘆く福祉業界にとっても大変必要なことといえます。
しかしながら、記録類等直接処遇に関わらない業務のICT化については納得がいきますが、見守り業務をセンサーやロボットに頼らざるを得ない現実にいささか複雑な気持ちになります。
しかし、全国的に私たちの業界が人材不足なのは変わりませんし、事業運営の確保、そして介護保険制度を維持していく為の、苦渋の決断であったように思われます。
こうした流れの中、もちろん明るい話もございます。
国は今年に早々に、行政の電子化の推進を図る関係閣僚会議で「デジタルガバメント実行計画」というものをまとめています。
その中で介護分野についても触れており、今ある多くの手続きをインターネット等で対応し、ご利用者やご家族、そして各事業者の利便性を高めていく方針を打ち出しています。
さらに、現場の実態を踏まえた具体策の立案を今年度中に行うよう指示するとともに、2020年代初頭までには現在の書類量半減を目指すものとしています。
「行政のあらゆるサービスが最初から最後までデジタルで完了する社会を実現する」
会議の議長もその日の会見でもこう宣言しています。
介護の分野では、サービスや実際に利用するまでのプロセスに関する情報が会得しにくかったり、サービスの利用に必要な申請書の自治体への持ち込み・郵送などが重荷になっている課題に対し、スマートフォン等Webサイトへアクセスすることで、「サービスの検索から申請までできるワンストップサービス」を構想としています。
つまり、要介護認定の手続きを全てオンライン化していくというもの。
これらが実現すれば、高齢者がよりスムーズに介護を受けられるようになるほか、私たち法人を含めた事業所の専門職の業務の内容やあり方についても革新となるはず。
特にケアマネジャーについては、こうした業務が必須であることから、事務作業や移動時間が軽減されることで、本来の主旨、そして目的であるご利用者の自立支援や悪化の予防につながるような支援、いわゆるマネジメントの充足が図れるようになるはずです。
それではまた。
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