2017年12月

通所介護のこれから「Sensin NAVI NO.61」

  • 2017.12.02
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

さて今回のSensin NAVIは 「レッスンその61」です。

 

 

 

介護保険法改正に係る通所介護にお話です。

厚生労働省は、先月初旬の社会保障審議会介護給付費分科会の中で次回2018年度介護報酬改定に向けた、

「通所介護に関する基準の変更案や報酬改定の考え方」を示しました。

 

現在は2時間ごとに3つの枠が設けられているサービス提供時間区分(区分)を、1時間ごとの6枠に細分化する案などが盛り込まれています。

この案については特に反対意見がなく、今の段階ではおそらく来年4月の報酬改定で実現されそうです。

 

その通所介護の基本報酬については、現行制度では「3時間以上5時間未満」と「5時間以上7時間未満」「7時間以上9時間未満」の、3つの区分が設けられています。

ただしご利用者が実際にサービスを受ける時間といえば、例えば、「3時間以上5時間未満」の区分の場合、実際の利用としては3時間から3時間半の間が大半との統計がでています。

それは他の区分についても同様で、3つの区分はあるも、実際のサービスとして提供しているのは最短時間に合わせているのが一般的となっています。

 

こうした状況を踏まえ、厚労省はサービスの利用実態に、より近い形の区分を設定するため、2時間ごとの設定を1時間ごとに変更する案、いわゆる細分化案を示した。

 

つまり、現行制度との対応では、

①「3時間以上5時間未満」は「3時間以上4時間未満」と「4時間以上5時間未満」に分け、

②同様に「5時間以上7時間未満」は「5時間以上6時間未満」と「6時間以上7時間未満」に、

③「7時間以上9時間未満」は「7時間以上8時間未満」と「8時間以上9時間未満」に、

 

それぞれ分けた基本報酬に変更するということです。

 

 

また厚労省は、通所介護の基本報酬の単価自体の見直しについても、大まかではありますが方針を打ち出しています。

 

最近示された介護事業経営実態調査の収支差率を通所介護の事業所の規模別で分析した結果、

 

定員18人以下の地域密着型通所介護の収支差率は2.0%であるのに対し、それ以外の通所介護では4.9%となっているそう。

特にその中でも、1月当たりの延べ利用者数が751人から900人の「大規模I」では7.9%、901人以上の「大規模II」では10.0%と、高い収支差率となっており、

一方では、事業所の規模が大きければ大きいほど、サービス提供1人当たりのコストが低くなっているといった結果も同時に示されてもいます。

 

その上で厚労省は、この結果をもとに規模ごとにメリハリをつけた見直しを考えており、

大規模の通所介護事業所の基本報酬の削減を提案しているようです。

しかしながら、逆に規模の小さな通所事業所の報酬を見直すべきといった意見のほか、効率化など積極的に各事業所単位で行っている経営努力を評価しない報酬設定を批判する有識者もみえ、

今後どうなっていくかが通所介護のひとつのポイントとなりそうです。

 

 最後にもうひとつ・・・

厚労省は、現在の個別機能訓練加算の算定が難しい通所介護でも質の高い訓練を実施するため、「生活機能向上連携加算」を創設する方針も示しています。

現時点でその加算に係る要件案として、

リハビリ施設の理学療法士・作業療法士などの専門職と共同に計画を作成したり、その計画を定期的に連携しながら評価することが挙げられています。

 

 

しかし、こちらの加算についても、そもそもそのリハビリ専門職らの協力がなかなか得られない、創設したところで算定する事業所はそれほど増えないといった指摘が出ており、

レスパイトなどの機能訓練以外の機能を評価する提案が現時点でほとんどないことを問題視する意見などもでているそうです。

 

以上がこれからの通所介護「序章編」でした。

さてさてこれからの介護保険法のゆくえはいかに!!

それではまた。