これからのケアマネジャー「Sensin NAVI NO.111」
- 2019.02.02
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその111」となります。
今回のお題は・・・・
「なんかまたちゃっかり変身してるけど・・・」
「ふふふ、やはり一発目のインパクトが大事。まさに知性を兼ね備えたインパク知」
「タモさんかい!」
「・・・・・・・・・・」
さて、ここからは「本番」です。
さて皆様、今年度実施された介護支援専門員実務研修受講試験、いわゆるケアマネ試験。
今回の合格率は10.1%と、約10名にひとりの合格率で、昨年度の合格率を大幅に下回る結果となりました。その合格者数は全国で約5000人で、例年合格者の約3分の1だとか。
これは介護を担う方々はもちろん、多くの専門家や各種団体が驚愕した結果だそう。
しかしながら、肝心の受験者についても、受験資格の厳格化に伴い、すべての都道府県で受験者が減少し、とりわけ前年度に比べてて7割減少した自治体もあったそう。
今年度のケアマネ試験の受験者数約4万9000人に対し、前年度の約13万人と比較しても大幅に減少しました。
前年度までは、
「介護等の業務経験が10年以上」
「実務者研修修了者や介護職員初任者研修修了者などで5年以上の業務経験」
といった方々が受験対象から対象外になったことが大きく影響しています。
前年度からの受験者数の推移をみると、すべての自治体で受験者数は減っていますが、特に首都圏や都市部の減少率は著明で、中には減少率が70%を超えた地域もあるそう。ここで参考までに、ほかの介護や福祉に係る国家資格と比較すると、社会福祉士が約20~30%、介護福祉士であれば約40~70%となっています。
ケアマネ資格者は、これから団塊世代が85歳以上となる2035年にむけて、中核的な役割を担わなければならないとされています。
一方で、
現在活躍しているケアマネの平均年齢は40歳後半と言われています。しかしながらあと20年、25年にはおそらく大半が引退しているはず。
そうなると、来るべき2035年の頃には担うべきケアマネが不足します。いまやAIやICTの導入など、積極的なシステム化が図られつつありますが、対人相手の職業だけに、すべてがコンピューターで操作されることはないはずですし、これからの高齢化の推測からいくと、絶対的に数不足に陥ります。
また、誰でも資格があるからと言って容易にできるものでもありません。適切な介護保険サービスの提供を実施し、かつ維持していく為には、ケアマネ個々のスキルとマネジメント力が必要です。新米の資格者が一定のスキルを備えるには、少なくとも最低5年はかかると言われています。
そんな中のこの合格率の減少は、東京を中心とした首都圏や大阪、名古屋といった都市部においては特に深刻。
地方と比較しても、今後の人口動態の推測から、都市部を中心にますます護ニーズが膨張すると予測されています。
その中でこの異常な合格率では、到底その充足と育成には及ばないのではと考えます。
しかしながら、もちろん地方の行政区域も安心はできません。地域によっては今年度は30人~40人程の合格者しかいません。人口が減少し、将来的には規模の小さい自治体についてはその存続すら懸念されています。
果たしてこれからの介護保険制度は成り立つのか、そして持続継続できるのかと言ったところ。
そしてさらには、次回報酬改定もこのケアマネ不足に大きく影響しそう。
勤続10年以上の介護福祉士を中心に、現行の介護職員処遇改善加算に新たな枠組みが設けられるそう。
もちろん介護人材不足を解消するための処遇改善は賛成です。しかしながらそれはあくまで介護職員に焦点を当てたもの。
介護サービスを提供する事業所は、介護職員のほかにケアマネはもちろん、看護やリハビリ、栄養、相談業務といった観点から支援する専門職がたくさんいます。
それら職種に対する改善はこれまで一度もありません。
もちろん元々の賃金設定が高いといった声もあります。
しかしながら、特にケアマネについてはほかの看護師や理学療法士といった国家資格とは異なり、介護を通して資格を取得した方が多いかと思います。
今回実施される予定の新たな処遇改善加算は、ケアマネと介護職員の賃金の差を縮めるだけでなく、ケアマネを優に上回るといった、いわゆる賃金の「ねじれ」を生み出します。
この「ねじれ」により、結果ケアマネを目指す介護福祉士が減少するといった現象が起きないことを願うばかりです。
介護支援事業所で働くケアマネの平均年齢が全国的に高いこと、そしてこれからの2035年に際し、絶対的に必要なケアマネ人口。
私たちがいまできることは、次代を担う多くのケアマネを擁立しつつ、スキルあるケアマネの育成に注力していくこと。
しかし、個々の事業所や法人単位だけでは到底困難です。やはり国としても、こうした状況や課題の中、少しでも多くの方々がケアマネに興味を持ち、そして魅力ある職種であれるよう、処遇も含めた施策に期待したいところです。
それでは、また。
「なかなか深刻ね…」
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